HOME > インタビュー > 本日発売の注目スマホ「Xperia arc」 − ソニエリ担当者に聞いた開発の背景と今後の展望

ソニー・エリクソンのスタッフに一条真人氏が直撃

本日発売の注目スマホ「Xperia arc」 − ソニエリ担当者に聞いた開発の背景と今後の展望

2011/03/24 一条真人
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
いよいよ国内市場に姿を現した「Xperia arc SO-01C」(関連ニュース)。ドコモ陣営のスマートフォンの中でもとりわけ大きな注目を集める同機の開発コンセプトや今後の戦略について、一条真人氏がソニー・エリクソン プロダクトマネージャーの山田氏と、同社コンセプト・スタディ プロジェクトマネジャーの石井氏へ迫った。

“Xperia arc”。日本ではドコモが「SO-01C」の型番で展開

ソニー・エリクソンの山田氏(左)と石井氏(右)

■薄さと同時にハイスペックも追求した「プレミアムスリム」コンセプト

━━ Xperia arcは、背面をアーチ状にするなど前機種「Xperia SO-01B」と比較するとデザイン面でも大きく変化しました。デザインコンセプトが変わったということなのでしょうか?

山田氏:まず、Xperia全体のデザインテーマとして「ヒューマン・カーヴァチャー」というものがありまして、いかにエルゴノミックに、人間の手にフィットするような形になるかということを常に考えています。そして、確かに形状は多少変わっていますが、根幹にあるデザインテーマには違いはありません。

Xperia arcの場合、「プレミアムスリム」という製品コンセプトがありまして、「いかに薄くするか」というところはかなり追求しました。また、それに加えて技術的にもハイスペックなものを入れていきたいとも思いまして、この2点を妥協せずにやっていこうということをポリシーとしました。

━━ 実際に持ってみると、背面の曲線の効果なのか、画面を大型化した上に薄さを追求しているのにも関わらず手のなかで実に安定しますよね。

山田氏:薄さについては、基板の配置方法も工夫しています。例えば各種ジャックは横向きになるよう配置しているのですが、これを縦に挿すようにするとそれだけ隙間が必要になってしまいます。そこで、コネクターを横に重ねることでその隙間をなくしているのです。

背面ケースを開けたところ。左は「Xperia SO-01B」。ここを見るだけでも内部レイアウトが変更されていることがうかがえる

━━ 部材のレイアウトを工夫することで、より薄型化できたというわけですね。

石井氏:一口に言えば、「重ねない」ということです。例えば、コネクターのような背の高いパーツは、液晶と基板のない部分に配置するなどしています。部材が重なってしまう場所をなるべく少なくすることでボディを薄くできたのです。

━━ なるほど。

山田氏:ただし、Xperia arcは単に薄さを追求するのではなく、デザインと使い勝手、そして機能のバランスを見ながら創り上げています。

石井氏:実は、単純に薄くしようとすれば、もっと薄くすることも可能でした。最薄部の薄さ(8.7mm)でフラットにすることもできたんです。しかし、見た目にも美しく持ちやすいarcフォルムを実現したいという思いがありました。また、arcフォルムは部品の配置に結果的に貢献した部分もあったんです。こうしたバランスを考慮したというのもデザインに関係しています。

山田氏:さらに、機能とのバランスで言えば、音質との関係性も考慮しました。スピーカーボックの容量を「Xperia SO-01B」の約1.5倍ほどにして、より良い音を出せるようにしています。

最薄部である8.7mmのフルフラットボディにすることも可能だったが機能面などとのバランスを考慮したという

■動画・静止画機能にはソニーグループとしての技術を投入し機能強化

━━ 続いて動画撮影機能についてお訊ねします。今回は720pまでの対応ということですが、フルHDにしようとは考えなかったのでしょうか?また、次の世代ではフルHD撮影が可能になるのでしょうか?

次ページカメラ機能やディスプレイの進化へも言及

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE