ガジェット 公開日 2024/05/30 17:19

iPhoneでマイナンバーカード、対応モデルは?何ができる?取材でわかった現状と今後

来春後半からAppleウォレットの身分証明書機能を日本展開
Gadget Gate
日本のICカード身分証であるマイナンバーカードが、来春後半からiPhone(iOS)のAppleウォレットアプリに登録して電子証明書として使えるようになる。アップルが5月30日に行った発表の内容について、取材でわかった情報を伝えよう。

Appleウォレットの身分証明書機能を米国以外で初展開へ

スマホで利用できるマイナンバーカードは、2023年にグーグルのAndroid端末が「スマホ用電子証明書」サービスとしてアップルに先駆けてこれを実現した。Androidのサービスはマイナンバーカードに内蔵するICチップの利用に対応している。

アップルはデジタル庁と連携しながら、iPhoneのAppleウォレットにマイナンバーカードの「券面」と「ICチップの機能」の両方を登録し、ユーザーがセキュアに利用できるサービスの実現を目指す。暗号化されたユーザーの個人情報はAppleウォレットのセキュアエレメントに格納される。個人情報の本人確認には、物理的なマイナンバーカードのICチップも採用するJPKI(Japanese Public Key Infrastructure)が対応する。

マイナンバーカードを利用する際、ユーザーは都度ウォレットアプリを立ち上げて、自身のマイナンバーカードを選び、iPhoneの画面に表示する。毎回Face IDまたはTouch IDによるユーザー認証の手順を介するため、ユーザーが自身のマイナンバーカードを安全に使える環境が確保される。

非接触IDカードリーダーについては、現在発行されている物理的なマイナンバーカードの場合と同様に「iPhoneをかざす」ことで同じように読み込めるようになるという。

Appleウォレットには、マイナンバーカードの券面も取り込まれる。先述の手順によりiPhoneのロックを解除後、マイナンバーカードを立ち上げて「券面事項を読み取る」ことで利用できるサービスや、対面による身分証明書としての利用にも役立てられる。

ユーザーがiPhoneのマイナンバーカードを利用した履歴情報は暗号化されるので、アップルやその他の第三者が情報をのぞき見ることはできない。万一、iPhoneを紛失した場合もデバイスにロックをかけていれば、第三者がロックを解除することは困難を極めるため、物理的なマイナンバーカードよりも安全に利用できるサービスになるとも考えられる。iPhoneを紛失した場合は「探す」アプリからの遠隔探索が可能だが、もし端末が見つからない場合は、端末のリモート消去機能によってマイナンバーカードの情報ごと個人情報を消せば、流出を防げる。

iPhoneのマイナンバーカードが利用できる機能の詳細は、来春後半までに内容が固まり次第明らかにされるだろう。現時点でわかっている残りの情報についても補足する。

対応するiPhoneの機種については、来春後半のサービス導入時期に公開される予定の、「最新のiOSを導入できるすべてのiPhone」となる。

なおApple WatchのAppleウォレットアプリへの対応については、現時点で明らかにされていない。

マイナンバーカードで利用できるサービスや機能は今後も拡大する見込みだ。iPhoneのマイナンバーカードがそのすべての内容をフォローアップすることになるかは、アップルとデジタル庁が技術や手順の整合性を図りながら決めていく。

iPhoneにマイナンバーカードのデータを取り込んだ後も、物理的なマイナンバーカードが引き続き利用できるようになるのか、あるいは複数台のiPhoneを利用するユーザーが何台のiPhoneにマイナンバーカードを登録できるのかなど、気になる疑問もわいてくる。「ICカード身分証のコピー」の運用についてはカードを発行する行政の側、つまり日本のデジタル庁の裁量に委ねられる。今後発表される仕様の詳細に引き続き注目したい。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 アイ・オー「RECBOX」がパナソニック「miyotto」に対応
2 100年の歩み、ここにあり。ラックスマン「L-100 CENTENNIAL」「D-100 CENTENNIAL」の音質と技術を徹底レビュー
3 DALIのコンパクトスピーカー「KUPID」は国産家具ブランドにマッチ!5カラーの置き方をプロが提案
4 「今、売れているオーディオアクセサリー」<売れ筋ランキング11月 番外編>
5 LG、世界初の「RGBストライプ」「240Hz駆動」両立した4K有機ELパネル
6 Campfire Audio、グリーンのアルミ筐体を採用した10BAイヤホン「Andromeda 10」
7 得意のソフト開発力で独自R-2Rの音を深化!HiBy「RS8 II」のサウンドをプロトタイプで先行体験
8 Cayin、最大出力560mWの“ハイパーモード”搭載ポータブルDAC/アンプ「RU3」
9 着工後でも100型/4.1.2chを叶えた、マンションのペンション風LDK
10 LG、積層型有機ELディスプレイの新ブランド「Tandem WOLED」「Tandem OLED」
12/25 10:49 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX