優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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Nowhere Land

アンジェ (CV. 古賀 葵)/プリンセス (CV. 関根明良)/ドロシー (CV. 大地 葉)/ベアトリス (CV. 影山 灯)/ちせ (CV. 古木のぞみ) ポップス FLAC WAV
96kHz/32bit 96kHz/24bit
レーベル:Lantis 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
劇場版アニメ『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第1章』エンディングテーマ。映画の方は公開延期となってしまったので、いまは音楽を楽しんでおこう。
作品の舞台がスチームパンク的イギリスをモチーフとしていることもあってか、テレビ版エンディング「A Page of My Story」と同じく、The Beatlesも意識した曲とのこと。ストリングス的なフレーズに、ストリングスそのものではなくメロトロンを使っているというのもそういうことだろう。
そしてボーカル。「英語ネイティブなキャラクターが歌う英語の歌を日本人声優が英語で歌う。キャラクターも作品中では日本語でしゃべっているがそのニュアンスも英語に乗せる」という実に複雑な歌唱演技が求められ、さらに「ちせ」というキャラに至っては唯一の日本人キャラなので「英語で歌うが英語は拙い」も追加。英語の発音の正しさとかは筆者には判断しかねるが、台詞と歌の言語の違いがあっても劇中のキャラクターたちとの違和感はないという、その点の見事さはさすが。
サウンド面では、これもThe Beatlesオマージュであろうか、低域の底の方はバッサリと切られている。そのおかげかベースやドラムスは、モコっと温かな音色でありつつモタる感じはしない。他にも全体にゆったりとした音の立ち上がり、良質なモノラル録音のような奥行き感を感じさせる空間表現など、今時の作品としては独特なサウンドデザインだ。独特故に例えばこれを再生システムの音質評価音源の中心に添えるのは難しいだろうが、中心ではなく補足チェックの音源として使うのは面白そう。
(FLAC 96/24にて試聴)

総合点 9.2
低域の伸び9.0点 高域の伸び9.1点 セパレーション9.1点 ディテール9.1点 透明感9.2点 空気感9.2点 質感9.3点 静寂感9.2点 残響 奥行き 音像 アタック