優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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Complete Singles 2000-2019

LOVE PSYCHEDELICO ロック FLAC WAV
96kHz/24bit
レーベル:SPEEDSTAR RECORDS 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
いきなりお金の話だが、まずCD版と同価格での提供というのが嬉しい。そして全46曲で4,400円という価格それ自体も嬉しい。CDは4枚組なのでディスクやケースの物理コストが通常より大きく、それがなくなる配信メリットがより強く発揮されたのかもしれない。
それはさておき内容だが、というか内容としても、最大の魅力は、『Complete Singles 2000-2019』のタイトルの通り「デビューから現在までの全シングルをカップリングも含めて全曲収録」というそこだ。そのすべてがこのベストのための最新リマスタリング「Remastered 2020」となっている。といっても彼らの音作りは当時からビンテージな雰囲気であり、言い換えれば生まれながらのタイムレス。であるので当時のままの音源を今聴いても古びた感じはない。今回のリマスタリングは、ひとつはベストアルバムとして一組の作品にまとめるにあたっての調整、もうひとつ想像するとしたら、「この機会にサブスク配信に向けて全シングルをアップデート!」というような意図もあるのかもしれない。いずれにしてもこれまでの音源から大きな違和感のあるようなものではない。
その彼らの音作りは前述のように「いわゆるハイファイ」とは別の方向性のものであり、そういう意味合いでの高音質とは違う。しかし蒸留水ではなく天然水というか、彼らの音もまた、雑味や濁りもあってこその手触り豊かな高音質。再生システムにもワイドレンジさや広大な空間表現は特に必要はないので、代わりにミドルレンジの感触、生々しさといったところはぜひともほしい。例えばイヤーモニターのラインナップでいうとマルチBAやハイブリッドのハイエンドモデルである必要はなく、BAにせよダイナミックにせよシングルドライバーで優秀なエントリーモデルがフィットするかも。
(FLAC 96/24にて試聴)

総合点 9.2
低域の伸び9.1点 高域の伸び9.1点 セパレーション9.1点 ディテール9.2点 透明感9.1点 空気感9.3点 質感9.3点 静寂感9.1点 残響 奥行き 音像 アタック