優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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白と花束

早見沙織 ポップス FLAC
96kHz/24bit
レーベル:ワーナーブラザースジャパン 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
2nd『Junction』以来およそ5年ぶりとなる3rdアルバム。その間にも満足度たっぷりのミニアルバム2作があったので「待たされた感」はなかったが、とはいえ間が空いたことでこちらのアルバムは収録曲の半数が既発のタイアップシングルに。すると一般的にはアルバムとしてのまとめ方が難しくなるはずだが、本作はそれを感じさせない。早見さんは2021年以降の音楽活動のテーマとして「孤独や生きづらさを感じる人の心に寄り添い、光となる音楽を届ける」を掲げており、タイアップ曲もそのテーマとタイアップ作品の両方に沿ったものとしてきた。それがそのままアルバムのテーマとなり、アルバムとしてのまとまりとなっているからこそだろう。タイアップシングルとアルバムのすり合わせの難しさ問題に対しての、ひとつの理想とも言える回答だ。その上でアルバム新曲は日常の雰囲気や個人の情景が思い浮かぶようなサウンド、歌詞のものが多い印象。既発タイアップ曲は壮大なものが多かったので、それとのコントラストも鮮やかだ。
オーディオ的には「Awake」が特に聴き応えのある曲のひとつ。表現においてエコーやリバーブが大きな役割を担っており、それの再現性が求められる。聞こえるか聞こえないのギリギリを狙った小さなエコーなどもあるが、それを消え際まで逃さずに再生したい。となると再生環境のS/Nも大切になるので、遮音性の高いイヤホンや静かな住環境などがほしくなる。
(FLAC 96/24にて試聴)

総合点 9.3
低域の伸び9.3点 高域の伸び9.3点 セパレーション9.3点 ディテール9.2点 透明感9.3点 空気感9.2点 質感9.2点 静寂感9.3点 残響 奥行き 音像 アタック