優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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あいことば。

田村ゆかり ポップス FLAC WAV
48kHz/24bit
レーベル:Cana aria 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
田村ゆかりさんの近年作品が一挙にハイレゾ配信開始。こちらの最新アルバムにはいつになく明るい雰囲気を感じるが、それを特に生み出しているのは終盤曲「ケセラセラ」と思える。シンプルな作りのようで工夫が凝らされていて新鮮。最初のサビの後、Aメロに戻ってからサビに進まず間奏に入り、そこでためを作ってからサビをたっぷり聴かせてくれる展開が心憎い。A→B→A展開を発展させたようなこの展開は最近だとAimerさん「残響散歌」にも見られた。しかしあちらでのこの展開はエンディングに向けて曲を加速させる印象なのに対して、こちらでのこの展開は終わりに向かわないループ感みたいなものを強める印象。そして片想いの歌がぐるぐるぐるループしているのに曲調は明るいし、リズムはみんなでクラップ!だ。その対比がこの曲に強い印象を与え、それがアルバム全体にまで及んでいると感じられる。
と熱弁しておきつつオーディオ的な話として、その次の曲「花火」に注目。水音やグリッチ・ノイズなど様々な音を空間のあちこちに配置し、ゆかりさんの声もサビの他ではローファイに加工。アブストラクト的というのだろうか?イヤホンで聴いて脳内で楽しむにしてもスピーカーで目の前に浮かび上がらせるにしても、それぞれの美しさを堪能できる。
(FLAC 48/24にて試聴)

総合点 9.3
低域の伸び9.2点 高域の伸び9.2点 セパレーション9.2点 ディテール9.2点 透明感9.2点 空気感9.2点 質感9.2点 静寂感9.2点 残響 奥行き 音像 アタック