優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集、マーラー:リュッケルト歌曲集

エリーナ・ガランチャ、指揮:クリスティアン・ティーレマン、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 クラシック FLAC
96kHz/24bit
レーベル:Deutsche Grammophon (DG) 配信サイト:e-onkyo music

■山之内 正レビュー
2020年と2021年のザルツブルク音楽祭で上演されたガランチャとティーレマンの共演は、もしコロナ禍がなければぜひ実演に出かけたかった演奏会の筆頭に挙げられる。それが2年ともかなわなかったのは残念極まりないのだが、さほど間をおかずにライヴ録音で楽しめるのは望外の喜びだ。ガランチャはオペラでの劇的な歌唱に比べると内面的で抑えた表現に聴こえるが、その表情の陰影の深さは期待を大きく上回る。ワーグナーとマーラーどちらも各曲の歌詞の内容を尊重した表現なのだが、どの曲からもガランチャ自身のこだわりや愛着も伝わり、選び抜いた精妙な音色が美しい。ティーレマンとオーケストラも歌手の意志に自然に寄り添っている。
(FLAC 96/24にて試聴)

総合点 9.2
低域の伸び9.2点 高域の伸び9.2点 セパレーション9.1点 ディテール9.1点 透明感9.3点 空気感9.4点 質感9.2点 静寂感9.1点 残響 奥行き 音像 アタック