優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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Nevermind [Remastered 2021]

Nirvana ロック FLAC
192kHz/24bit
レーベル:Geffen 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
当時は「グランジ」とも呼ばれたあのサウンドを一気に世に広めた名作の30周年記念エディション。フィジカルでは様々な未発表ライブ音源等を含む「スーパー・デラックス・エディション」なども展開されるが、ハイレゾ配信はストレートにオリジナル収録曲のみでの勝負だ。オリジナルアナログマスターテープから新たにリマスタリングされた192kHz/24bit音源となっている。筆者手持ちのオリジナルリリースおよび前回おそらく20周年記念時のリマスタリング音源と比べると、音圧は、オリジナルよりは明らかに高く、前回のリマスターよりはわずかに低い。また前回リマスタリングは1〜2kHzあたりのジャギっとしたエッジや荒っぽさが強めな印象なのに対して、今回はもう少し低め500Hz〜1kHzあたりの芯の強さや厚み、アタック感がしっかりしている印象。ロックとしての王道の迫力に軸足を置いた雰囲気だ。個人的にも好ましく感じるし、「ZepもNirvanaもどっちも一括りに“昔のロック”」的な時代観になるであろう今の世代にも、この音の方が馴染みやすいかもしれない。我らリアルタイム世代が若干ペケッとした感じでありつつも荒っぽくエネルギッシュな「あの音」が恋しくなったときには、当時の盤を聴けばよいのだ。
(FLAC 192/24にて試聴)

総合点 9.1
低域の伸び9.2点 高域の伸び9.1点 セパレーション9.0点 ディテール9.0点 透明感9.0点 空気感9.2点 質感9.3点 静寂感9.0点 残響 奥行き 音像 アタック