優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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2020

eastern youth ロック FLAC WAV Apple Lossless
48kHz/24bit
レーベル:裸足の音楽社 配信サイト:OTOTOY

■高橋 敦レビュー
eastern youthにも気負いというものはあるのだろうかとも思うし、むしろ誰よりも気負っている、気負ってきたバンドかもしれないとも思う。外面を気にするような意味合いでの気負いはあるのかないのか。自らの内側から来る気負いは、もしかしたら過剰なまでにあるのかもしれない。だって彼らの音は何の気負いもなしに鳴らせるような音とは思えない。アルバム前作は新たなベーシストを迎えての初アルバムだった。変わらないのか変わるのか。変わらないけれど新しいのか。何かを示さないといけないというような気負いはあっただろうか。……なんて前振りから何を言いたいかというと、少なくとも今作には「新体制初アルバム!」みたいな気負いは必要なかっただろうし、これこそ現体制でのナチュラルなバンドサウンドなのかなということ。その音が1990年代後半の「口笛、夜更けに響く」「孤立無援の花」「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」あたりをどこか思い起こさせることも、だからこそなのだろうか。感傷的な話はさておき実際、全体にジャリっとした荒さや鋭さを感じさせる質感、黒のボンネットに反射する真夏の太陽のようにギラつくディストーションギターといった、これぞ!という音を存分に叩きつけてきてくれる作品となっている。手触りや気配、空気感。そういった成分をしっかり届けてくれる再生システムで聴いてみてほしい。最新型ではなくロングセラーで定番なモニター系のスピーカーやイヤモニなどは合いそうだ。
(FLAC 48/24にて試聴)

総合点 9.2
低域の伸び9.1点 高域の伸び9.1点 セパレーション9.1点 ディテール9.1点 透明感9.1点 空気感9.2点 質感9.3点 静寂感9.3点 残響 奥行き 音像 アタック