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EX-A150

VICTOR
EX-A150

¥OPEN(予想実売価格140,000円前後)

発売:2009年9月下旬
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2way・バイアンプ接続対応のプレミアム・ウッドコーンシステム

【SPEC】
<スピーカー>●形式:2ウェイバスレフ型 ●スピーカーユニット:2cmウッドドームトゥイーター、11cmウッドコーンウーファー
<アンプ>●実用最大出力:<4ch>トゥイーター 30W+ 30W、ウーファー 40W+ 40W(4Ω/10kHz/THD10%) <2ch>40W+ 40W(4Ω/1kHz/THD10%) ●クロスオーバー周波数:5.6kHz ●入出力端子:アナログ入力×2、アナログ(フロントミニ)入力×1、光デジタル入力×2、アナログ出力×1、ヘッドホン出力×1、サブウーファー×1、専用iPodドック端子×1、シンクロ端子×2
<プレーヤー>●入出力端子:アナログ出力×1、光デジタル出力×2、HDMI出力×1、コンポジット出力×1、シンクロ端子×2、USB端子×1 ●再生可能メディア:DVDオーディオ、DVDビデオ、ビデオCD、スーパービデオCD、音楽CD、DVD-R/-RW ●再生可能ファイル:MP3、WMA、WAV(リニアPCM)、JPEG ●録音フォーマット:MP3 128kbps (CD→USB録音のみ)

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

ビクターの新しいウッドコーンシステムが一挙に3モデル登場した。EX-A150は2ウェイ・スピーカーの「SX-WD150」を核とする、バイアンプ/バイワイヤー駆動に対応する、ビクターダイレクト限定販売のハイエンドモデルだ。EX-AR7はこだわりのフルレンジ型で、EX-AR5は新しいエントリーモデル。まずはプレミアムモデルの「EX-A150」からその魅力に迫ってみよう。

ウッドコーンスピーカーをバイアンプで駆動したらどうなるだろうか?そのアイデアを製品化に結びつけたのが今回の「150シリーズ」だ。2ウエイのSX-WD150を核として、プリメインアンプ「RX-A150」はデジタルアンプ“DEUS”をウーファー40W×2、トゥイーター30W×2の構成で搭載、バイアンプと2ch駆動の切り替えを可能にした。DVD/CDプレーヤーの「XV-A150」はHDMI CEC対応で、CDからUSBへのMP3録音機能まで搭載するモデルだ。この3点のコンポーネントは単品購入もOKである。

バイアンプ化のメリットはいうまでもないが、ネットワークを省くことでダイレクトにウーファーとトゥイーターをドライブできることにある。歪みや立ち上がりのレスポンス、ピークのノビなど圧倒的に改善されることはオーディオファンの常識だ。あわせてアンプ回路もパーツ類を見直し、“DEUS”の広帯域化やダンピングファクターの向上。K2テクノジーも最適化したという。

一方、新しいウッドコーンスピーカーの改良も大幅に行われている。ウーファーでは伝播速度を高め水平方向の指向性を広げる異方性振動板を採用し、センターキャプの素材を樺材からチェリーに変更している。トゥイーターのエッジ材を化学物質のテトロンからシルク繊維に変え、エンクロージャーの内部には響棒や響板構造を取り入れて音場表現の拡大を実現している。チェリーからメイプルに変更した木製吸音材による徹底したチューンを行うなど、ここまでくるとほとんど楽器である。

端子を見ると、アンプとスピーカー側の両方にウーファーとトゥイーターの独立端子を装備。これを2組のケーブルでつなげばビクター推奨のバイアンプ/バイワイヤー駆動となる。

背筋がゾクっとくる音の鮮度感と生々しさである。ウッドコーンの芳醇さがさらにもう一段深まるとともに、響きに埋もれないボーカルの凛々しさやピアノの微妙な粒だちが、クッキリと提示される。それも弱音になればなるほど減衰がきれいで、音の純度が高まる感触だ。

先行機EX-A5やA10に比べると広がりも非常に豊かで、弦や声楽の漂うようなアンビエンスは身を乗り出したいほどだ。異方性振動板などの効用だろうが、ナマ以上に生々しい音とはこれだろう。意外なのは管弦楽のスケールやボリューム感が実に豊かなこと。ぐんとマスのあるジャズ系ビッグバンドの押し出し感は、あのデリケートなウッドコーンと思えない。がむしゃらに大振幅をたたき込もうとは思わないけれど、フラメンコや民族楽器、あるいは電子楽器系の鋭いアタックも無難にこなし、これまでのイメージを変えたといってよいだろう。

これはバイアンプ/バイワイヤー駆動のメリットでもあるわけだが、セパレーションや解像力の向上とともに、パワーレスポンスにゆとりが生まれたことによるもの。とにかく体験すべきだ。本機で重宝なのは、K2の切り替えとともにリモコン操作でマルチと2chモードとの切り替えが簡単にできることだ。他のスピーカーをつないで音調の違いを楽しめる。上質な音楽をじっくりと味わいたい、あなたのためのステムだ。なお、ケンウッドの東京ショールーム「ケンウッドスクエア・丸の内」で本機を試聴することもできるので、オススメしたい。