トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース

公開日 2022/04/29 12:25
精米時のもみ殻に含まれるガラスを利用

お米から量子ドットLEDを作ることに広島大が成功。テレビに搭載される日も来る?【Gadget Gate】

PHILE WEB編集部
日本人の主食と言えばお米。そのお米のもみ殻から、量子ドットLEDを製造することに成功したと、今年1月に広島大が研究成果を発表した。米アメリカ化学会(American Chemical Society)の学術誌「ACS Sustainable Chemistry & Engineering」に論文が掲載されている。

学術誌「ACS Sustainable Chemistry & Engineering」の表紙にも使われた

あまり知られていないことだろうが、お米のもみ殻の成分のうち、20%はガラスである。広島大によると、現在、もみ殻に含まれるガラスを使ったリチウムイオン電池の研究が、欧米などで盛んに行われているという。だが、もみ殻中のガラスを使ってLEDを作る研究はこれまでになかったため、今回広島大が挑戦したところ、製造に成功した。

同大の研究グループは、もみ殻に含まれるガラスから、波長680nmのオレンジ色に発光する、有機溶媒に溶けるナノシリコン(シリコン量子ドット)を合成した。発光効率は21%だった。さらに、その量子ドットを用いたシリコン量子ドットLEDの開発にも成功したという。

もみ殻から作ったシリコン量子ドットというだけでもインパクトがあるが、そもそも植物やバイオ系の天然素材を使って製造されたLEDがこれまで存在しなかったとのことで、同大は「世界初の成果、世界初の概念」とアピールしている。

近年、量子ドットを搭載したディスプレイが増えており、大型テレビやタブレットなどに搭載されている。量子ドットは英語では「Quantum Dots」であり、その頭文字を取って「QD-LED」などと呼ばれている。

ただし現在の量子ドットは、カドミウムや鉛、その他の重金属などの有毒物質を含むことが多く、環境負荷も低くない。それに対して、今回広島大が作ったシリコンの量子ドットは重金属を使わないため、毒性がなく環境にも優しいという。またLEDの製造も、このシリコン量子ドットの溶液と導電性の高分子溶液を基板に塗布することで行え、シンプルに行えるという。

同大によると、精米によって年間数十億キログラムのもみ殻が発生しているとのこと。グリーンな材料を使ったLEDの製造は、持続可能な社会の実現にも寄与しそうだ。

Source:ACS Publications,広島大学
Via:What Hi-Fi?

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 Apple Musicも聴ける高コスパ ネットワークプレーヤーeversolo「DMP-A8」。音質と使いこなしを徹底検証
2 Amazon Prime Videoの人気8チャンネルが2ヶ月間99円に!GW期間中キャンペーン
3 アップル製品がAmazon/ヨド/ビックなどで最安値級セール。どこが一番安い?
4 コンパクトでハイコスパ、そして音が良い! Kanto Audio「YU2」がデスクでのスピーカー再生を楽しくする
5 ソニー、4スピーカーで立体音響を実現するシアターシステム「HT-A9M2」。新スピーカーで高音質化
6 Netflixで「ご利用世帯の登録」画面が表示された場合の対処法は?
7 クリプトン、内部配線材と吸音材を強化したピアノ仕上げ・密閉型スピーカー「KX-0.5P II」
8 『鬼滅テレビ -柱稽古編放送直前SP-』5/4 13時25分から無料配信。公開生放送の観覧受付開始
9 ソニー、新フラグシップサウンドバー「HT-A9000」。単体で独自立体音響に対応/約36%の小型化も
10 ネット動画も大画面で手軽に楽しめるREGZA「40V35N」が初登場1位 <AV製品売れ筋ランキング3月>
4/30 11:19 更新

WEB