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公開日 2025/06/19 06:45
第2回目は参加メーカーも会場スペースも倍増

“対決”はオーディオの醍醐味。パワーアップした「京都オーディオフェスティバル2025」徹底レポート!

伊佐山勝則

6月13日(土)と14日(日)の2日間、京都勧業会館みやこめっせにて、「第2回京都オーディオフェスティバル2025」が開催された。


昨年の第1回開催も取材に訪れたが、広大なワンルームのスペースに7社のオーディオメーカーや輸入商社が集結。京都での大型オーディオイベントは初の試みで、どのようなお客様に来ていただけるのか、手探り状態での開催となったが、ふたをあけてみれば大成功。大きな手応えを得て、第2回目の開催にこぎつけた。



開催前から列ができるほど多くの方が来場する


「京都オーディオフェスティバル」の最大の特徴は、出展メーカーの垣根を超えたシャッフルでの試聴会。各ブランドや輸入商社ごとではなく、スピーカーやアンプ、プレーヤー等々、ジャンルごとに各社の製品のデモを行っていく形式である。


会場は平安神宮や京都市京セラ美術館、京都国立近代美術館、ロームシアター京都、京都市立動物園も隣接する立地。ここでは常時さまざまな催しが開催されており、京都市民にとっても「祭事といえばみやこめっせ」をイメージする場所。初日は雨模様となったが、それでも2日間とも多くの来場者が会場に詰めかけた。


会場となった「みやこめっせ」


展示&試聴ブースも1部屋から2部屋に増え、Room AとRoom Bという広大な2つのスペースのなかで、アーク・ジョイア、アクシス、アッカ、エイ・アンド・エム、オルトフォンジャパン、ステラ、ゼファン、タクトシュトック、DS Audio、ディバイン、トライオード、ノア、リジェール(アイウエオ順)の13社におよぶオーディオメーカーや輸入商社が集結。ちなみに昨年の第1回は7社であったから、参加メーカーもほぼ倍に増えたことになる。


「お客様は輸入商社やメーカーを目当てに音楽を聴きに来てくれているわけではありません。好きな音楽を興味のあるシステムで聴いてみたいと思っているのです」。主催者が理念として掲げたポリシーは第1回目も感じることができたが、第2回目ではそれをさらに1歩進めたイベントになっていた。


Room Aのメインスペースには、YGアコースティクスの「Sonja 3.2」を設置。エアータイト「ATM‐2211J」、カノア「VIRTUS M1」、ソウリューション「711」、ピリウム「POSEIDON」、CHプレシジョン「M10」といった最高峰のモノラルパワーアンプを中心に取り揃える。



Room Aのメイン試聴エリア


一方のRoom Bは、オーディオネックの「EVO2」とベイズ・オーディオの「Courante 2.0」、ウィルソン・オーディオの「Sasha V」と3種類のスピーカーを設置。こちらはブルメスター「218」やボルダー「1151」、コンステレーションオーディオの「Stereo Amp」といったド級パワーアンプのほか、JUNONE「845SE」やゴールドムンド「TELOS 690」、クレル「300i」、ダンダゴスティーノの新製品「PENDULUM」と、国内・海外ハイエンド製品を中心に取り揃える。



Room Bのメイン試聴スペース




Room Bで活用されるプレーヤー類



今年の大きなテーマは「対決企画」。カートリッジ対決ではオルトフォンとDSオーディオの一騎打ち、無志向型スピーカー対決ではジャーマン・フィジックスの「Borderland MK4」とオーディオネックの「EVO2」、ベイズ・オーディオの「Courante2.0」の競演など、普段では体験できないような貴重な試聴会となった。


ORTOFONとDS Audioによるカートリッジ対決にも注目が集まった


このほかにも、真空管アンプ対決ではエアータイトとカノア、トライオードの話題のセパレートアンプの一斉比較や、ド級ターンテーブル対決ではヴァルテレとテクダス、トランスローターの競演、ネットワークプレーヤー対決でのスフォルツァートとXACTの比較と、聴きどころたっぷり。


2日間通しで来場された方も多く、やはりオーディオファンは「比較」を体験したいのだということを実感、試聴イベントの理想の形を見ることができた。


オーディオ評論家諸氏の講演も開催。初日の土曜日は和田博巳氏、日曜日は三浦孝仁氏が各2回ずつ登壇した。「私が愛する音楽」をテーマとして出展メーカーのシステムでのデモとともに、オーディオ、音楽への愛をじっくりと語り、多くの来場者が耳を傾けていた。


初日の和田博巳氏の講演では、和田氏が出会ってきた音楽やオーディオへの愛情たっぷりのトークと、YGアコースティクスのスピーカー「Sonja 3.2」とピリウムのセパレートアンプ「ARES」と「POSEIDON」から再現された圧倒的なハイエンド・サウンドに、
多くの方が聴き入っていた。



14日(土)に開催された和田博已氏による講演


また昨年に続き、金沢のレコードショップ、エスタシオレコーズによる中古レコードの即売会も実施。レコード販売のスペースはRoom Aの約1/3くらいを占めており、中古レコードを目的にイベントに訪れる方も多く見えた。


京都市内に多くのレコード店があるのはそれだけレコードの収集家が多いということ。そんな方々にとっても、金沢からやってくるエスタシオレコーズの出展は新鮮で貴重な機会であったはず。



昨年に続き金沢のエスタシオレコーズが大きな販売ブースを設ける


「京都オーディオフェスティバル」は第2回目の成功も受けて、今後は出展メーカーもさらに増やし規模を拡大していくことになるだろう。「音楽を楽しむためのオーディオ機器」というコンセプトは、ぜひ継続してほしいと願っている。



XACTのミュージックサーバー「S1-EVO」はエディスクリエーションのFIBER BOXやインクレケーブルの「iEARTH」とともに展示。ラック中段にはMSBテクノロジーのDAコンバーター「Discrete DAC Plus」




上からピリウム「ARES」、ソウリューション「727」、カノア「HYPERION P1」といったハイエンドなプリアンプが1台のラックに収まる




スフォルツアートのネットワークプレーヤー「DSP-Columbia」とマスタークロック「PMC-Cetus」も同イベントに初登場




ヴァルテレのアナログプレーヤー「SG-1 PKG」。CHプレシジョンのプリアンプ「A10」やDSオーディオの真空管フォノイコ「TB-100」がセットされる





エステロンの注目モデル「X Diamond MkII」やマーテン「MINGUS QUINTED 2 Statement Edition」、ファインオーディオ「VINTAGE FIFTEEN」+「SUPERTRAX」などの大型スピーカーも並ぶ




コンパクトなスピーカーも充実。ソナス・ファベール「Sonetto II G2」やスペンドール「CLASSIC 2/3」、MoFiの「SourcePoint8」、ファインオーディオ「F500SP」




テクダスのアナログプレーヤー「AirForce III PremiumS」+トーンアーム「AirForce10」。コンステレーションオーディオのフォノイコライザー「Revelation 2 Phono」とともに展示




手前のコンパクトな3台はYGアコースティクスのコンパクトモデル「CAIRN」やEPOS「ES-7N」、オーデル「Magika Plus」。無志向性のジャーマンフィジックス「Borderland MK4」、フロア型のソナス・ファベール「Amati G5」、ゼラトン「PLURAL EVO」、スペンドール「Classic 200」と、スピーカーは実に幅広いラインナップを体験することができた



京都オーディオフェスティバルの主催メンバー。中央はオーディオ評論家の和田博巳氏

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