【特別企画】アコースティックデザインシステムによる試聴会を直撃取材

「部屋の吸音」と「レコードの魅力」の密接な関係を体感 − 「第17回 Acoustic Audio Forum」開催レポート

編集部:小野佳希

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2015年03月16日
音楽家やオーディオ/ホームシアターファンのための防音工事専門会社、アコースティックデザインシステムが毎月開催している試聴会「Acoustic Audio Forum」。「LPレコード音源の魅力について」をテーマに、去る2月28日に実施された「第17回 Acoustic Audio Forum」にファイル・ウェブ編集部記者も参加してきた。様々な試みが行われた同イベントの模様をレポートしたい。


■オーディオを楽しむには機器だけでなく部屋の響きも重要

「Acoustic Audio Forum」では、「部屋は再生装置」「オーディオは機器と部屋の特性で聴くもの」だとする同社の考えの下、毎回様々な取り組みが行われている。プレーヤーやアンプ、スピーカーといったハード類だけでなく、それを鳴らす“箱”、つまり部屋も含めてオーディオであるという考えだ。

当日のデモに用いられたシステム

例えば、いくら高級なオーディオ機器を買ったとしても、部屋の環境次第ではその能力を活かし切れないこともある。ちゃんと店頭で試聴してから購入したはずなのに、いざ自分の部屋に設置してみたらイマイチだった…なんて経験をしたことがあるオーディオファンもいるのではないだろうか。

キットヒットのスーパートゥイーターも使用

逆に、エントリー価格帯の機器であってもその能力をフルに引き出せれる部屋であれば、場合によっては上位モデルに勝るとも劣らない音質を楽しめるかもしれない。そんな、“オーディオ趣味における部屋の重要性”を実感できるのが本イベントなのだ。

会場は防音/調音が施された同社ショールーム。有名交響楽団に所属するようなプロの演奏家に練習のために貸し出すこともあるが、その響きの良さを非常に気に入って長時間の練習になることも多いという。

自身もオーディオ好きである同社の鈴木泰之代表は「せっかくこういう部屋をもっているのだから、部屋によって音が違うことを一般の方々に実際に体験してもらえる機会を持とうということでやり始めた」と、本イベント開催の意図を説明。「回を重ねるうちに、部屋に関心を持ってきてくれる方が増えてきた。我々の考え方が、実際の音を聴きながら皆さんの理解の手助けになればと考えている」と言葉を続けた。

アコースティックデザインシステム 鈴木氏

■ハイレゾとアナログレコードに共通点?

前述のように、今回のテーマはアナログレコード再生。「LPレコードの音の良さの秘密」「部屋の反射・吸音パターンの影響」という2点を中心に、吸音材の設置/取り外しによって部屋の響きを変えながら、洋邦様々なレコードの試聴を行った。

材質によって吸音する周波数帯域が異なることなど、吸音材の基礎知識もレクチャー

近年、ハイレゾ普及の一方でレコード文化復権の動きも目立っている。規格上、20kHz以上の音域をカットしてしまうCDとは異なり、レコードには20kHz以上の情報も記録されていることに同社は注目し、ハイレゾとアナログレコードの盛り上がりには実は共通点があるのではないかと指摘。そうした観点から今回のテーマを設定したという。

吸音パターンによってレコードの音質はどう変わる?

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