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フィルター交換や調整で目指すサウンドをゲット

ベストマッチを探れ! AKG「N40」「N30」と話題の小型DAP3機種を組合せ

2017/05/19 高橋 敦
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AKG新世代ハイブリッドイヤホン「N40」「N30」は、信頼のAKGブランドのしかもハイブリッドモデルにしては意外とお手頃なお値段。最近になって選択肢がぐっと広がった、同じくお手頃価格でサイズもお手頃な小型ポータブルプレーヤーと組み合わせれば、手軽で身軽で高音質なポータブルリスニング環境を構築できる。

AKG「N40」

AKG「N30」

でも難しいのはイヤホンの音とプレーヤーの音の相性。お互いの個性の長所を生かし合い自分の音の好みにも合うタッグを見つければ、今以上のパフォーマンスを発揮できる。そこで今回はイヤホン、

AKG「N40」製品詳細
AKG「N30」製品詳細

とポータブルプレーヤー、
Astell & Kern「AK70」製品詳細
ONKYO「rubato」製品詳細
SONY「NW-A35」製品詳細

それぞれの音質や音質機能の特徴をチェックし、その上でおすすめのタッグを提案していこう。


まずはN40とN30の音の特徴を整理

まずはN40とN30の音調の特色を確認しよう。ラインナップにおける概要としては、先に登場した上位モデルとコストダウンを実現したさらにお手頃なモデルというポジション。しかし加えてそれぞれに異なるチューニングが施されており、単に「N40の音はN30の上位互換」とは言い切れない。なのでそれぞれの音調の把握は大切だ。

とはいえ同じシリーズでほとんどの要素は共通しているので、音調の方向性自体が大きく異なるということはない。ポートを活用して空気を適度に抜くことで低域と空間性をナチュラルに充実させていること。中高域側では良質なBAドライバーらしい、そしAKGらしい、透明感と良質なシャープさが光る。

その基本を同じくした上でN40がN30に対して強みとして見せてくるのは、中域の豊かさ、そして細かな粒子感の表現だ。

中域の豊かさがわかりやすいのはやはりボーカル。声の厚み、肉声感といった要素はN40に優位を感じる。粒子感というのは、声の手触りであったり音の響きであったり、音の細かな成分の表現。音色にせよ空間にせよ、これが豊かであることで息遣いであるとか実在感であるとか、音楽の説得力が増している印象だ。

しかしN30の個性がN40に対しても魅力的に思える部分あるいは場面もある。一言で言えば「明快」さだ。

例えば前述の中域の充実感では一歩譲るという要素も、その帯域が抜けて厚みは控えめになることで空間全体にすっとした見晴らしの良さが生まれており、その観点からは強みとも言える。

また粒子感から生まれる音色と空間の滑らかさでは一歩譲る反面、それぞれの音の描写はより簡潔でわかりやすい。シンバルのシャープさやギターの歪みのジャキッとしたエッジの立ち方などは、こちらの強みと言える。


組み合わせる各プレーヤーの音の傾向は?

こちらは今回は主役ではなく「相棒」というポジションなので、さくっとまとめていこう。


Astell & Kern「AK70」
「AK70」は価格的に他より少し上なのも納得のクオリティ。中低域は少しだけ緩めて全体の厚みを稼いでいる気はするが、それも同社ハイエンドと比べればという話。この価格帯までのモデルの中では素直で自然な音調とバランスを備えるひとつであり、イヤホンともユーザーとも相性や得手不得手は出にくい。


ONKYO「rubato」
「rubato」も素直に整えた音調とバランス。だがAK70よりも遊びあるいは余裕が少なく、イヤホンとの相性は出やすい印象だ。例えば高域側が鋭敏なイヤホンとの組み合わせだと声の手触りの荒さなどが気になりやすい。しかしうまく使えばそこもカバーできる、充実の音質調整機能も備えている。


SONY「NW-A35」
「NW-A35」は……元気! 荒っぽいところもあるがそれを含めて躍動感があり、デジタルアンプの低域特性をアナログアンプのそれに近づけるというDCフェーズリニアライザーをオンにすれば、中低域の粘りや弾みも引き出せる。ボーカルの音像、存在感を大きめにしてくれるのもポイントだ。

以上を踏まえ、多くの方が望んでいるポイントに合わせ、僕が考えたおすすめの組合せをご紹介したい。

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