【特別企画】評論家・大橋伸太郎が多角的に評価

東芝“4K有機ELレグザ”「X910」の画質は? HDRから地デジまで様々な映像で徹底チェック

大橋伸太郎

前のページ 1 2 3 次のページ

2017年03月13日
東芝の薄型テレビ“REGZA(レグザ)”初の有機ELモデル「X910シリーズ」。その技術特徴を解説した前回記事に続き、今回は評論家・大橋伸太郎氏がさまざまな映像ソースを用いて画質を徹底チェック。日本メーカーとしていち早く市場投入された4K有機ELテレビ「レグザ X910」の実力に迫った。


■4K有機ELレグザ「X910」は多種多様な映像をどう描き出したか

大画面有機ELテレビ、レグザ「X910」が発売になった。この記事が掲載される頃には、全国の家電店店頭で未体験の映像が映し出されていることだろう。X910シリーズのプロフィールと主要技術については前回記事に詳しいので、今回は4KのUHDブルーレイと2Kブルーレイからネットコンテンツまで多種多様な映像をどう描き出したかをレポートしよう。

今回、視聴に当たり筆者が心掛けたのは「実景感覚」。ここでいう実景とは、実際に肉眼で目視した経験のある実在の風景に止まらない。訪れたことのない外国や過去の失われた風景、逆に未来の誰もまだ見ていない風景、さらに映像の作り手がイメージした物語の光景まで含む。

映像の中のそれら「実景」が大画面有機ELという新しいディスプレイ(表現手段)を得て生み出すリアリティと説得力に大きな興味を持って視聴に臨んだ。視聴に使用したのは今回発売の2種の内、より画面サイズの大きい「X910」だ。

X910は65型と55型の2サイズ展開。今回のテストには65型を用いた

最初に見たのが、花火大会を撮影した4K映像。まず印象付けられるのが、液晶方式に比較した場合の圧巻の画面のユニフォーミティ(均一性)だ。

明るさにムラがあり画面端にしばしば折り返し光の反射現象が起きるエッジ型バックライトの製品は無論、直下型LEDバックライトの動作分割数をいかにきめ細かくしても、画面を凝視すると動作境界の断層が分かる。X910は画面の中央から隅々まで連続するさながら息づく一枚の画だ。

筆者は専門誌「AV REVIEW」の編集者だった当時、ビデオカメラのテストレポートの仕込みに地元の花火大会をアナログハイ8からDV、メモリー記録まで様々な方式のカメラを使い撮影し、CRT三管式から固定画素プロジェクター、プラズマテレビ、液晶方式テレビに至る様々なディスプレイで確認してきた。

花火はビデオ/ディスプレイをチェックするためのいわば試金石。これまで、ハードウェア(カメラ、ディスプレイ)が進歩しても付きまとったのが、小面積で明滅する火花の輪郭が滲み、火花が白っぽく飽和して発色が落ちやすく色調が正しく再現されないことだった。撮像素子が進化しても再現はディスプレイ如何で現場の記憶とかけ離れたものに止まっていた。

だが、X910で見る打ち上げ花火のクローズアップは火花の輪郭が引き締まり背景への滲み、膨張がない。

花火の映像では液晶方式に比べて画面のユニフォーミティが非常に高いレベルだった

発光の立ち上がり立ち下がりの早さに3,840×2,160画素の高速自発光が伝わって感動的。広色域復元によって色数が豊かで、中間色が正しく再現され刻々とした変化が明瞭で自然だ。

背景の夜空の漆黒がバックライトの干渉で浮き上がらない一方、火花の開花で周囲の空がうっすらと明るむ微妙な階調変化まで描き出し、夜空の底知れない奥行きが映像に現れる。

■4K HDRストリーミング映像の描写力は?

次にNETFLIXにて4K HDRでストリーミング中の米オリジナルTVドラマ「マルコ・ポーロ」を視聴。

4K ブルーレイソフトや地デジ番組はどう描く?

前のページ 1 2 3 次のページ