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音質や使い勝手を検証

DSDも手軽に再生!ラズパイ・オーディオをiFI-Audio「micro iDSD BL」で試してみた

公開日 2017/03/12 09:30 海上 忍
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目玉の一つが、オペアンプ「OPA2627/2628」。大半のヘッドホンアンプでは汎用品を採用するところが、iFi-Audioの特注仕様とした。ウェーハーが特別で、一般的には銅製リードフレームとアルミ製ボンドワイヤーを使う部分を、HCOFCの銅製リードフレームと4Nゴールド・ボンドワイヤーというものだ。

Panasonic(旧佐賀三洋工業)の導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ「OS-CON」やMELF抵抗を"可能なかぎり"採用した点も、見どころといえる。特に後者は製造工程における難易度が高く、どの工場でも対応できるものではないが、音質向上には効果的とされる。この部分だけを見ても、モデルチェンジに際しパーツレベルまで徹底的に見直したことがうかがえる。

一般的なUSBケーブル(A-B)を使うときには、付属の変換ケーブルを利用する

付属のUSB A-Aケーブルを使うと、Raspberry Piに直結できる

ラズパイでmicro iDSD BLの底力を引き出す

使用したRaspberry Piは最新の「Raspberry Pi 3 Model B」。OSには「Moode Audio 3.1」を利用し、再生メディアにはUSBメモリを使用した。Moode AudioにはWi-Fiアクセスポイントモードが用意されており、場所を選ばずスマートフォンから操作できるためだ。

micro iDSD BLとはUSBで接続するが、Raspberry PiともどもAタイプのコネクターのため、付属のA-AケーブルまたはA-B変換コネクタを利用することになる。一般的にA-Aケーブルは延長ケーブルという認識であり、オーディオ指向の製品はあまり見かけないが、変換コネクタを使えばケーブルの選択肢は増える。今回は付属のA-Aケーブルでテストしたが、真っ青の外皮はブラックのボディカラーにフィットするとは言い難く、この点は検討すべき課題であろう。

そのA-AケーブルでRaspberry Piと接続すれば、micro iDSD BLはただちに認識される。念のためSSHでリモートログインしてデバイス名を確認したところ、「iFi (by AMR) HD USB Audio」と表示されているので問題なしだ。

Raspberry PiにSSHでリモートログインし、ALSAに認識されているサウンドデバイスをaplayコマンドで確認した

再生指示にはWEBブラウザを使用した。簡素な画面レイアウトだが、iPhoneの場合「moode.local」というアドレスを入力するだけで接続できる点がうれしい。今回はUSBメモリー上の楽曲を試聴したが、NASの場合はOpenHome準拠のアプリを使用できるので、コントローラの操作性と外観は格段にアップする。


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