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【特別企画】ネックバンド型の完全ワイヤレス設計

世界初のaptX HD対応ワイヤレスイヤホン、LG「HBS-1100」。先進の機能と音質をチェック!

公開日 2016/09/28 10:09 海上 忍
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aptX HDでワイヤレスであることを意識させないレベルに

HBS-1100はVGP 2016 SUMMERの審査会で初見しているが、その際は送り出し側(LG G5)の用意がなく、やむをえずXperia Z UltraとaptXでワイヤレス接続して試聴した。高域方向にかけての解像感、不自然に膨らまない低域のキレにはBAユニットらしさ、Harman Kardonによる音作りの巧みさを感じたものだが、コーデックがaptX HDとなることでどのように印象が変わるのか。ハイレゾ音源(FLAC 96kHz/24bit)とCD音源(WAV 44.1kHz/16bit)を中心に、じっくり試聴を行った。

LG G5とペアリングを実行したところ。画面下部に表示されたメッセージからは、aptX HDで接続されたことがわかる

LG G5に付属の音楽再生アプリでFLAC 96kHz/24bitを再生したところ。信号はソフトウェアで48kHz/24bitへダウンサンプルされたあと、aptX HDのチップを経由してワイヤレス伝送される

ハイレゾ音源を再生したときの第一印象は、高域成分がだいぶ控え目になるということ。ダウンサンプリングを伴うためやむを得ない部分だが、CD音源では味わえない広い音場感と高域の豊かさは減ってしまう。LG G5に付属のミュージックプレイヤーは、FLACのほかDSDの再生にも対応しているが、HBS-1100との組み合わせをハイレゾ再生環境とカテゴライズするのはさすがに無理がある。

LG G5のライブラリ表示

しかし、同じ音源を改めてXperia Z Ultra(aptX)で聴いてみると、LG G5との組み合わせ(aptX HD)のほうがサウンドステージが広いことに気付く。アコースティックギターにおける弦のツヤ感、ナチュラルハーモニクスの響きの自然さ、ボーカルの口もとのリアルさと定位はaptX HDに軍配が挙がる。24bitが16bitにまるめられ、情報量が減少したことが影響しているのだろうが、その差は歴然だ。

装着した様子

一方のCD音源は、素直に楽しめる。ビットレートは576kbpsと、aptX(352kbps)に比べても余裕があるためか、Bluetoothオーディオにありがちな不自然さが感じられない。BAユニットの特性も手伝ってか、中高域にかけての解像感の高さはワイヤレスであることを意識させないレベルに到達していると言っていい。

もうひとつ、HBS-1100には特筆すべきメリットがある。それは、いざというときイヤーピースをすぐに外せること。ネックバンドからぶら下がる形で胸元あたりに留まるため、ポケットに押し込むなどの手間がかからないのだ。完全に再生を中断したければ、ボタンを押すと掃除機のようにコードが巻き取られる。コードはかなり細めで若干不安を覚えるが、HBS-900など数世代にわたるノウハウの蓄積があるためか、中途半端にコードを残すこともなくピタリとネックバンド先端に格納してくれる。

掃除機のようにコードが巻き取られる

現状唯一のaptX HD対応スマートフォン「LG G5」が日本未発売だが、「CESやMWCでの展示後は世界各地のブランドから問合せがある」(Qualcomm)とのことで、aptX HDを採用するスマートフォンは今後急増しそうだ。ネックバンド型ならではの扱いやすさもあり、ワイヤレスヘッドホンにおける一大潮流を作り出せるほどの可能性を秘めていると考えるが、いかがだろう。

(協力:LGエレクトロニクス・ジャパン)

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