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オススメ入門カートリッジ(2)1万円以下から買える!オーディオテクニカの定番モデル6選

公開日 2016/09/13 11:28 野村ケンジ
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オーディオテクニカ「AT150Sa」 ¥91,000(税抜)[製品詳細


AT150Sa
AT100シリーズのフラッグシップモデル。基本構造は継承しつつも、ダイキャスト製のボディやシバタ針、アルミテーパー加工を施したアルミ製カンチレバーなどを採用、究極のAT100シリーズを追求すべく徹底したクオリティアップが行われている。針圧は1.0〜1.8g(1.4g標準)となっている。

「AT120Eb」から解像度を上げていき、それでいてダイナミックレンジを広げたイメージのサウンド。ヴォーカルの強弱のニュアンスや、歌い方の特徴がハッキリと伝わってきてくれるので、表情豊かな、それでいてパワー感もあるサウンドを楽しむことができる。kalafinaは、ヴォーカル3人それぞれの歌声の特徴が、きっちりと表現し分けられていた。いっぽう、グルーヴもなかなか。ノリノリとまではいかないものの、演奏が普段よりも幾分リズミカルに感じられた。

金額的にはかなり高価となってしまうが、AT100系のサウンドが大好きな人には究極の存在ともいえる、とても魅力的な製品だ。


クオリティチェック(-2〜2)
音の表現  広がり重視 ○●|○○  密度重視(-1)
音の再現  迫力重視  ○○|○●  音場重視(+2)
音の質感  クール   ○○|●○  ウォーム(+1)
帯域表現  低域重視  ○●|○○  高域重視(-1)
高域表現  煌びやか  ○○|●○  伸びやか(+1)
低域表現  硬い    ○○|●○  柔らかい(+1)



オーディオテクニカ「AT-F7」 ¥38,000(税抜)[製品詳細


AT-F7
オーディオテクニカのVM型でお馴染み、デュアルムービングコイル方式を採用するMC型カートリッジ。ネオジウムマグネットのほか、サスペンションワイヤーにφ0.07mmのステンレスワイヤーを、コイルにPCOCC、筐体にチタン酸カリウムを配合した硬質樹脂を採用するなど、細部まで徹底した音質追及が為されている。針圧は1.8〜2.2g(2.0g標準)となる。

MCならではの丁寧な表現、ワイドレンジな帯域特性を巧みに活かした上質なサウンド。ニュートラルで暖かみのあるサウンドキャラクターによって、どんな音楽ジャンルでもそつなくこなすことができる。アース・アインド・アンド・ファイアーはとても活き活きとしたリアルな演奏を聴かせてくれたし、kalafinaの歌声も優しく、心地よく感じた。

このサウンドが3万円以下で手に入るのは、奇跡というほかない。MC用のフォノイコライザーなどが必要となってしまうモノの、それを用意してあまりある、満足感の高いサウンドを実現することができる。まさに、名機と呼びたくなる製品だ。


クオリティチェック(-2〜2)
音の表現  広がり重視 ●○|○○  密度重視(-2)
音の再現  迫力重視  ○○|○●  音場重視(+2)
音の質感  クール   ○○|●○  ウォーム(+1)
帯域表現  低域重視  ○○|○●  高域重視(+2)
高域表現  煌びやか  ○○|○●  伸びやか(+2)
低域表現  硬い    ○○|○●  柔らかい(+2)




オーディオテクニカ「AT33Sa」 ¥112,500(税抜)[製品詳細


AT33Sa
標準モデルをベースに、オーディオテクニカMCカートリッジ初となるシバタ針を採用するなど、いくつかのクオリティアップが施されたスペシャルモデル。先端に向けて径が細くなるボロン無垢のテーパー付カンチレバーの採用や、発電コイルのターン数見直しなどの軽量化により、カートリッジの高域特性を改善。標準モデルよりもさらなるワイドレンジ再生を実現している。

オーディオテクニカらしいサウンドというべきだろう、輪郭のくっきりしたメリハリの良いサウンド。定位感がしっかりしているため、ライブステージを最前席で見ているかのような迫力を感じる。いっぽう、低域のフォーカス感も良好なため、ロックなどはグルーヴ感溢れるサウンドへと生まれ変わっている。レッド・ツェッペリンもNirvanaのノリノリに感じられ、聴いていてとても楽しい。

さらに、男性ヴォーカルがとても魅力的な歌声に感じられるのも特徴だ。普段よりもしなやかで粘りのあるヴォーカルによって、メロディが普段よりも数段印象的なフレーズに聴こえる。おかげで、高まり感動もひとしお! 10万円超の高価な製品ではあるが、それだけの価値を持つ、素晴らしい製品だ。


クオリティチェック(-2〜2)
音の表現  広がり重視 ○●|○○  密度重視(-1)
音の再現  迫力重視  ○●|○○  音場重視(-1)
音の質感  クール   ○○|●○  ウォーム(+1)
帯域表現  低域重視  ○●|○○  高域重視(-1)
高域表現  煌びやか  ○●|○○  伸びやか(-1)
低域表現  硬い    ●○|○○  柔らかい(-2)

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