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オススメ入門カートリッジ(2)1万円以下から買える!オーディオテクニカの定番モデル6選

2016/09/13 野村ケンジ
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■オーディオテクニカ「AT95E」 ¥7,400(税抜)[製品詳細


AT95E
VM型、接合楕円針やアルミパイプ製カンチレバーの採用など、基本構造は「AT100E」と同じ。型番からすると「AT100E」の下位モデルにも思えるかもしれないが、決してそういうわけではなく、どちらかというと海外仕様のモデルといったイメージ。こちらにもアルミ製ヘッドシェルとのセット「AT95E/HSB」が用意されている。針圧は1.5〜2.5g(2.0g標準)となる。

煌びやかなイメージのサウンドキャラクター。高域のエッジがしっかりと際立っていて、やや派手めに聴こえる。押し出し感や音の厚みはそれほど感じられないものの、低域のフォーカス感が高いため、ドラムやベースなどがクリアに聞こえ、とてもグルーヴ感の高いサウンドが楽しめる。アース・ウィンド・アンド・ファイアーなどは、ア段より幾分ノリの良い、グルーヴ感溢れるサウンドを楽しむことができた。ロック系はNirvanaよりもレッド・ツェッペリンとの相性が良く、小気味よい演奏を楽しませてくれた。

クオリティ面では「AT100E」とそれほど変わらないので、あくまでどちらの音色傾向が好みかでチョイスするのが良さそうだ。


クオリティチェック(-2〜2)
音の表現  広がり重視 ○○|○●  密度重視(+2)
音の再現  迫力重視  ○○|○○  音場重視(±0)
音の質感  クール   ○○|●○  ウォーム(+1)
帯域表現  低域重視  ○○|○●  高域重視(+2)
高域表現  煌びやか  ○●|○○  伸びやか(-1)
低域表現  硬い    ○○|●○  柔らかい(+1)





オーディオテクニカ「AT120Eb」 ¥23,000(税抜)[製品詳細


AT100E
定番のVM型カートリッジの上位モデル。構造や採用パーツは「AT100E」を継承しつつ、無垢楕円針を採用するなど、随所にクオリティアップが施されている。軽量アルミ製ヘッドシェルとのセット「AT120Eb/HSB」も用意。針圧は1.0〜1.8g(1.4g標準)となっている。

「AT100E」からのアップグレードにぴったりの製品。基本的なサウンドキャラクターは同じだが、切れのよい、ダイナミックな表現に生まれ変わったおかげで、ヴォーカルなどは一歩前に出てきたかのような、臨場感の高い歌声となった。

付帯音のない、ピュアなサウンドであることも好印象。おかげで、音場表現も巧みになり、kalafinaは広がり感、定位感ともに良好なサウンドを楽しませてくれた。逆に、Nirvanaではもう少し音に厚みが欲しいとも感じたが、あくまでも好みの範疇の話。音色傾向の近さ、クオリティの高さからいって、“アップグレード"カートリッジとして、大いにオススメしたい製品だ。


クオリティチェック(-2〜2)
音の表現  広がり重視 ○○|○○  密度重視(±0)
音の再現  迫力重視  ○○|○●  音場重視(+2)
音の質感  クール   ○○|●○  ウォーム(+2)
帯域表現  低域重視  ○●|○○  高域重視(-1)
高域表現  煌びやか  ○○|●○  伸びやか(+1)
低域表現  硬い    ○○|●○  柔らかい(+1)



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