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Roonの潮流とネットワーク・ブリッジについて考察

非対応機器が約1万円でRoon対応に変身! ラズベリーパイで“Roon Bridge”を作った

公開日 2016/07/08 12:20 佐々木 喜洋
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■ラズペリーパイとHiFiberry「Digi+」でRoon Bridgeを実現

ネットワーク・ブリッジにはラズベリーパイ2を使用した。いまではラズベリーパイ3が出ているが、ソフトウエア互換という点で信頼性があるためだ。このラズベリーパイ2にデジタル出力ボードとして海外では定評あるHiFiberry「Digi+」を使用した。これは価格は安いがBrystonの次期製品である「BDP-π」でも採用されたほど音質レベルは高い。また海外では広く使われているため、ソフトウエア互換性も定評がある。ちなみにこうしたGPIOを使う拡張ボードのことをラズベリーパイの世界ではHATと呼ぶ。HATとはHardware Added on Topの略だ。ちなみにDigi+はこちらのサイトから海外通販で購入できる。

ラズベリーパイとHiFiberry「Digi+」を組み合わせたところ

ラズベリーパイをDigi+込みで格納できる専用のケースもあるので、ゴミなどが気になる方はついでに購入しておくとよいだろう。今回の記事では分かりやすく見せるためケースは省略している。ちなみに、ラズベリーパイ本体は国内で購入した方がよい。価格差がそれほど大きくないためだ。

無事にDigi+が届いたら組み立てをする。しかしハンダも不要で、単にGPIOの拡張スロットにDigi+を差してねじ止めするだけだ。あっけないほどシンプルである。

次にソフトウエアを用意する。Roon Bridgeの導入はラズベリーパイ用のOS(たとえばRaspbian Jessi light)をmicroSDにインストールして、それを動作させたうえでRoon用のインストールスクリプトをOS上で動作するのが正式だ。しかしこれは簡単といっても、初めての人には荷が重いだろう。

そこでHiFiberry社ではすべて込みのセットをすでに用意してくれている。今回はこれを使用した。手順はこちらのページからイメージファイルをPCなどでダウンロードし、そのダウンロードしたイメージファイルをWin32 diskimagerなどのソフトウエアでMicroSDに書きこむだけだ。無線LANを使用するときは設定ファイルの書き換えが必要だが、今回は有線LANのみを使用するのでこの書き込みだけで完了だ。この方式であればコマンドを打つこともなく、ラズベリーパイではモニターやキーボードも不要だ。

これでRoon対応のネットワークブリッジ(Roon Bridge)が完成だ。とてもコンパクトで、トータルの価格は日本円で1万ちょっとくらいだろうか。これにデジタルケーブルとラズベリーパイの電源ケーブルを用意する。このネットワークブリッジはネットワークからRoonのデータ(RAAT)を入力して、DACにデジタル出力(S/PDIF同軸)で出力する。ちなみにDIgi+では光デジタルを使用することもできる。電源をオン・オフするには電源ケーブルの抜き差しという原始的な手段に寄るが、考えてみればハイエンド機材もかつてそうだったと考えると面白い。このRoonBridgeには操作画面というものはなく、すべてRoon本体から設定する。

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