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Roonの潮流とネットワーク・ブリッジについて考察

非対応機器が約1万円でRoon対応に変身! ラズベリーパイで“Roon Bridge”を作った

公開日 2016/07/08 12:20 佐々木 喜洋
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■ラズベリーパイによる「Roon Bridge」でRoonを再生する

このラズペリーパイとDIgi+によるRoon Bridgeを音元出版の試聴室に持ち込み、実用性と音質の検証を行った。今回試聴に使用したのは以下のシステムである。

今回の試聴システム

・MacBook(Roon搭載)
・NAS:アイ・オー・データ「HFAS1」
・プリアンプ:アキュフェーズ「C-3850」
・パワーアンプ:アキュフェーズ「M-6200」(モノラル)
・スピーカー:TAD「TAD-E1」

セットアップとしてはまずDA-06をプリアンプに接続する。そのあとでネットワーク・ブリッジであるラズベリーパイの同軸出力をデジタルケーブル経由でDA-06の同軸入力に接続する。ネットワーク・ブリッジ(Roon Bridge)に電源を投入してから、Mac上のRoon画面からAudio SetupでRoon Bridgeをゾーンとして設定する。

Roonのセッティング画面

拍子抜けするほど簡単に音が出るのが確認できた。DA-06の画面ではロックされたことを示すサンプリングレートとビット数の表示がなされる。

試聴曲は日本でも国内発売され、最近話題のアノーニ(旧名アントニー・ヘガディ)の新譜「Hopelessness」をBandcampからハイレゾ(48kHz/24bit)で購入したものを使用した。キャッチーなポップ曲調に独特の歌声で「Drone Bomb me」や「Obama」などシリアスなメッセージを組み合わされるところがユニークなアルバムだ。最近の話題作らしくアルバム表示画面であふれるような情報を読むことがまたRoonらしい魅力だ。

Roonからネットワーク・ブリッジ経由で再生するDA-06の音は鮮烈で透明感が高い。引き締まった力強いベースで曲のパワフルさがストレートに伝わるとともに、細やかなテクスチャとともにラックスマンらしい品の良さもよくわかる。高級機材のなかにひとつだけ1万円程度の機材(ラズベリーパイ)をくわえたわけだが、それを感じさせるネガティブなところはほとんど聴き取れない素晴らしい音だ。

ビットパーフェクトで再生を行えていることも確認できた

それでは、とUSB-DAC本来の形でRoon搭載のMacから高品質のUSBケーブルでDA-06をUSB-DACとして聴いてみて音を比較した。これはなかなか興味深い比較で、たしかにUSB接続の方が音数が多いように感じられるが、ネットワーク・ブリッジ経由の方が透明感があって音が自然にすっと出るようにも思える。これは音質のレベル差があるというより個性の差というべきかもしれないが、少なくとも接続方式による音質の劣化は感じられないと思える。

試聴は都合により視聴ポイントの手前のラックで行ったが、現実に使う場合には長さに制限のあるUSBケーブルに比べれば、長さに制限の少ないネットワークケーブルの方が設置に柔軟性のあることは言うまでもない。

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