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音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第2回】タグについて理解しよう

公開日 2015/01/15 11:29 逆木 一
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デジタル音源を便利に管理するには
タグの整備が重要


どれだけフォルダ/ファイル名ベースで音源を管理したところで、再生ソフトやサーバーソフト、コントロールアプリは基本的にタグベースで音源を扱います。タグが滅茶苦茶では元も子もありません。もちろんフォルダベースで音源を見ていくこともできますが、それでは後述するデジタルファイルならではの利便性を享受できないことに変わりはありません。なにより、フォルダ/ファイル名ベースの管理とタグベースの管理は対立するものではなく、両立すべきものと言えます。

タグは音源をデジタルファイルとして管理運用する以上、絶対に欠かせないものです。「タグを制する者は音源の管理運用を制する」と言ってしまってもいいでしょう。

皆さんはCDのライブラリを作ろうと思った時、どのような方法でCDを整理するでしょうか?

人によって様々な整理の仕方があると思います。とりあえずアルバムタイトルで50音順に並べていく人。アーティスト名で並べていく人。ジャンル別にまとめていく人。年代別にまとめていく人。

CDという物理的なディスクで音源を管理する以上、基準を決めて一度並べてしまえば、別の基準で並べ直すことは相当な労力が必要です。しかし、デジタルファイルとして音源を管理すれば、タグをきちんと整備しておくことで、アクセス性は飛躍的に高まります。アルバムタイトルにアーティストやジャンルなど、様々な情報から音源にアクセスでき、もちろんいちいちディスクを並べ直すような手間はありません。

タグの役割とはすなわち、デジタルの領域においてそのようなライブラリ構築の指標となることです。なんのことはありません。かつてCDラックの中で行っていた音源の管理を、デジタルの領域で、タグを用いてするようになるだけです。

クラシックの愛好家であれば、さらに厳密な分類が必要な場合もあるでしょう。指揮者、作曲者、オーケストラ、合唱団、レーベル、楽器、ソリスト。大丈夫です。それらに対応するタグも全部あります。

「音源をデジタルファイルとして扱えば便利になる」とよく言われます。しかし、その便利さとは『タグ』に基づくものであると理解する必要があります。

前回の記事で、CDでは得られない保存性と音楽への自由なアクセス性こそ、デジタルファイルとして音源を扱うことのメリットであると書きました。この音楽への自由なアクセス性とは、『タグ』によって実現されるものなのです。

どこまでタグの整備にこだわるかは人それぞれです。一切タグ付けがされていなくても、支障なく音は出ます。音が聴こえさえすればいい、諸々の情報もアルバムアートも何も要らない、滅茶苦茶でも構わないというのであれば、タグを無視したところで何の問題もありません。

「面倒だな」と思われる方もいるでしょう。「どうしてそこまでタグの整備に力を入れなければいけないのか」と言われるのももっともです。

そういった声に対し、筆者はこう答えるようにしています。
「自分が集めた音源を愛しているからです」と。
ディスクだろうと、データだろうと。

今まで積み上げてきたCDのライブラリをデジタルファイル音源として生かすも殺すも、ユーザーひとりひとりのこだわりにかかっています。


大切なCD資産が……


デジタルファイルになった時、どのような姿になるかは、ユーザー次第。
最後に要点を整理しましょう。

・タグとは「音源に“内的に”付加された情報」のこと
・「フォルダ/ファイル名」とタグは別のもの
・タグを制する者は音源の管理運用を制する

実際にどのようにタグを編集すればよいのかは、第4回であらためて触れる予定です。


連載目次
第1回「まず『音源』ありき」
第2回「タグについて理解しよう」
第3回「コーデックの基礎知識」
第4回「ライブラリを構築する」
第5回「音源の入手方法(1) CDのリッピング」
第6回「音源の入手方法(2) 配信サイトからのダウンロード」
第7回「PCオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」
第8回「PCオーディオで楽しむ(2) USB DACを活用する」
第9回「PCオーディオで楽しむ(3) 色々な再生ソフト」
第10回「PCオーディオで楽しむ(4) オーディオルームとPCの親和性」
第11回「ネットワークオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」
第12回「ネットワークオーディオで楽しむ(2) サーバー」
第13回「ネットワークオーディオで楽しむ(3) プレーヤー」
第14回「ネットワークオーディオで楽しむ(4) コントロール」
第15回「様々な再生方法」




逆木 一  SAKAKI Hajime
オーディオ・ビジュアルという趣味を愛し、ピュアオーディオとホームシアターの幸せな融合を目指して日々邁進中。ここ数年はネットワークオーディオという方法論に大きな可能性を見出し、その魅力を浸透させるべく活動。音展2014にて「ネットワークオーディオで実現する快適な音楽再生」という講演を実施するなど、活動の場を広げている。
■ブログ「言の葉の穴」http://kotonohanoana.com/

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