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ネットオーディオの「快適な音楽再生」は“コントロール”次第

音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第14回】「ネットワークオーディオで楽しむ(4) コントロール」

2015/05/29 逆木 一
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連載目次
第1回「まず『音源』ありき」
第2回「タグについて理解しよう」
第3回「コーデックの基礎知識」
第4回「ライブラリを構築する」
第5回「音源の入手方法(1) CDのリッピング」
第6回「音源の入手方法(2) 配信サイトからのダウンロード」
第7回「PCオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」
第8回「PCオーディオで楽しむ(2) USB-DACを活用する」
第9回「PCオーディオで楽しむ(3) 色々な再生ソフト」
第10回「PCオーディオで楽しむ(4) オーディオルームとPCの親和性」
第11回「ネットワークオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」
第12回「ネットワークオーディオで楽しむ(2) サーバー」
第13回「ネットワークオーディオで楽しむ(3) プレーヤー」
第14回「ネットワークオーディオで楽しむ(4) コントロール」
第15回「様々な再生方法」


ネットワークオーディオの3要素のひとつ「コントロール」を解説

今回取り上げるのはネットワークオーディオにおける「コントロール」です。ネットワークオーディオにおける、と書きましたが、コントロールとはPCオーディオとネットワークオーディオが重なり合う領域であるということは先に述べた通りです。

今回のテーマは、ネットワークオーディオにおける「コントロール」だ

さて、とうとうここまでやってきました。

音源をデジタルファイルとして扱うことによる音楽への自由なアクセス性が、音源の管理とライブラリの構築を経て、「快適な音楽再生」へと昇華する瞬間です。音源に注いできた愛情が報われ、「居ながらにしてすべてを見、すべてを操ることで得られる、音楽再生における筆舌にしがたい快適さ」が手に入る瞬間です。

これらを実現するものこそ「コントロール」です。

第11回のおさらいです。「コントロール」とは、サーバーが提示するライブラリを参照し、聴きたい曲を選び、再生する・停止する・スキップする・シークするといった、実際に音楽を再生する際の操作そのものを指します。スマホやタブレットにコントロールアプリをインストールしたものが、サーバーとプレーヤー双方に指示を出すコントローラーとして機能します。なお、第10回で紹介したようなPCの再生ソフトをコントロールするためのアプリも、実質的に同じ役割を担うため、この記事では同列に扱います。

コントロールアプリの重要性

サーバーにおけるサーバーソフトのように、実際のコントロールの機能は端末にインストールされたコントロールアプリが担当します。

ネットワークオーディオにおいて、「ライブラリを閲覧し、聴きたい曲を選び、再生・停止等の操作を行う」という部分はすべて、プレーヤーから独立したコントロールの役目です。音楽再生に関わるあらゆる操作、目にし、手で触れる全領域がコントロールアプリに委ねられているため、その重要性は筆舌にしがたいものがあります。

端末それ自体も重要と言えば重要ですが、iOSかandroidか、スマホかタブレットか、ハイスペックかロースペックかといったことよりも、純粋にコントロールアプリの完成度の方がはるかに重要です。強いて言えば、タブレットに対応するアプリは画面の大きさを活かしてデザイン・情報量ともに優れるものが多く、おすすめです。

LUMINのネットワークプレーヤー「A1」(写真中央)とサーバー「L1」(写真左右)、そしてコントロールアプリ「LUMIN App」を機動したiPad。プレーヤー・サーバー・コントロールの3要素がそろってネットワークオーディオは完成する

優れたコントロールアプリは、「好きな音楽を、好きなように、好きなだけ聴く」という音楽ファンの夢をこの上ない形で実現してくれます。一方で、コントロールアプリの完成度が悲惨だった場合、音楽再生は一瞬にして苦行と化し、ネットオーディオを実践する意味そのものが消滅します。

コントロールこそがネットワークオーディオの本質です。音源に愛情を注いで完璧なライブラリを構築し、各機器の役割を理解して完璧にシステムを構築した時、それらを生かすも殺すもコントロールアプリ次第なのです。

次ページコントロールアプリの基本要素を紹介

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