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音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第4回】ライブラリを構築する

2015/01/28 逆木 一
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「良い音で音楽を聴く楽しさ」と「快適な音源管理・再生」をどちらも叶えてくれるもの − それが「ネットオーディオ」だ。音源の入手方法やライブラリの管理方法、そして音源の再生方法など、ぜったい押さえておきたい基礎知識を、逆木 一(さかき はじめ)が解説。これからネットオーディオをはじめたいという方に向け、全15回にわたってお届けする。

連載目次
第1回「まず『音源』ありき」
第2回「タグについて理解しよう」
第3回「コーデックの基礎知識」
第4回「ライブラリを構築する」
第5回「音源の入手方法(1) CDのリッピング」
第6回「音源の入手方法(2) 配信サイトからのダウンロード」
第7回「PCオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」
第8回「PCオーディオで楽しむ(2) USB DACを活用する」
第9回「PCオーディオで楽しむ(3) 色々な再生ソフト」
第10回「PCオーディオで楽しむ(4) オーディオルームとPCの親和性」
第11回「ネットワークオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」
第12回「ネットワークオーディオで楽しむ(2) サーバー」
第13回「ネットワークオーディオで楽しむ(3) プレーヤー」
第14回「ネットワークオーディオで楽しむ(4) コントロール」
第15回「様々な再生方法」


そもそもライブラリとは

まず、本連載でも何度か登場している「ライブラリ」という言葉について、筆者なりの定義をしておきます。

筆者の考えるライブラリとは、「一定のルールに基づいて管理・編集された音源の集合体」を指します。「音源」と言えば個別のデジタルファイル、「ライブラリ」と言えばその全体、というイメージです。CDで考えれば、CDが音源で、それが整理・収納されたソフトラックがライブラリ、ということになります。

もっとも、ライブラリというのはあくまで便宜上の呼び名です。また、「音源」と「ライブラリ」の区別はそれほど明確なものではありません。ライブラリもまた音源であることに変わりはなく、同じ意味で使われることも往々にしてあります。

ライブラリのふたつの側面

音源をデジタルファイルとして扱う際、その集合体であるライブラリにはふたつの側面があります。

ひとつめは、フォルダ構造とファイル名に基づく、ファイルそのものからなるライブラリです。便宜的に、これを「フォルダベースのライブラリ」と呼びます。一例として、あらためて筆者の音源フォルダを見てみましょう。

フォルダの1番上の階層には、ジャンルごとのフォルダが並ぶ

ジャンルフォルダの「Progressive Rock」に入ると、該当するアーティストごとにフォルダが並ぶ


アーティストの中から「Yes」を選んで開くと、Yesのアルバム一覧が表示

個別のアルバムフォルダの中には、収録曲が保存されている

「音源フォルダ」→「ジャンル」→「アーティスト」→「アルバム」→「各曲のファイル」という構造になっています。

ふたつめは、タグに基づいて、再生ソフトやコントロールアプリ上に展開されるライブラリです。便宜的に、これを「タグベースのライブラリ」と呼びます。JRiver Media Centerを使って、タグベースのライブラリを見てみましょう。

ジャンルの一覧

ジャンル「Progressive Rock」に該当するアーティストの一覧


アーティスト「Yes」に該当するアルバムの一覧

アルバムを選択すると、画面下部に収録曲の一覧が表示される

ここではあえてフォルダ構造と同じ順序で音源を見ていきましたが、タグを利用することで、アーティストやジャンルなどの様々な情報に基づく柔軟なブラウズが可能となります。

今までの記事で、フォルダベースの管理を完璧にしてもタグが整備されていなければ片手落ちであること、フォルダベースの管理とタグベースの管理は両立すべきものであることを紹介しました。

どこまでこだわるかは結局ユーザーひとりひとりに委ねられていますが、美しく、かつ使いやすいライブラリを構築するうえで、このふたつの側面は押さえておく必要があります。

次ページライブラリを構築する前に

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