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<山本敦のAV進化論 第37回>

古びたMacBookをDIYで復活! SSD化して音楽再生専用機として使ってみた

公開日 2014/12/25 16:43 山本 敦
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SSDにはSDカードやUSBメモリースティックにも採用されているNAND型フラッシュメモリという記憶素子が利用されている。HDDのように内部に駆動部分を持たず、内蔵するメモリーチップに電気信号を使ってデータを読み書きするため、データアクセスが素速いうえ、動作音が静かで衝撃にも強いという特長がある。さらに駆動時の電力消費も少ないので、発熱が低く抑えられるなどPCにも優しいストレージだ。

オーディオ用NASの記憶媒体をSSDに交換すると良いらしいという話題には常々触れてきたので、そのメリットは以前から知っていたつもりだったが、一方で何となく「SSDはHDDに比べて値段が高いんじゃなかったっけ?」という感覚を持っていた。ところが今回の試みのために調べてみると、コンシューマー向けの内蔵SSD製品が意外なほど手頃な価格で買えることを知って驚いた。特に256GB、512GBといったハイレゾの音源ファイルを余裕で保存しておけそうな大容量タイプのSSDが驚くほど安くなっている…。

「やるなら今しかねえ」

そう思い立って、今回の換装作戦を「HDD→HDD」から「HDD→SSD」へと切り替えた。

まずは量販店の店頭に足を運んで色んなSSD製品を比較検討してみた。256GB〜512GBゾーンの製品の価格がどれもこなれていて魅力的だ。その中でも今回はCrucial(クルーシャル)というブランドの「MX100シリーズ」を選んでみた。アメリカの大手半導体メーカーであるマイクロン・テクノロジーのコンシューマーブランドであるCrucialは、SSDをはじめPCの基幹パーツであるDRAM製品も手がける業界のトップブランド。選ぶ決め手になった大きな要因の一つは価格の手頃感で、512GBの市場価格はだいたい24,000円前後、256GBは13,000円前後と、今年一年頑張った自分へのご褒美として無理なく買うことのできる値段だ。

CrucialのMX100シリーズ、512GBモデルで換装してみた

本製品を選んだもう一つの理由は、MLCという記録方式に対応していることだ。1つの記憶素子に対して2bit以上のデータを保持する「MLC(Multi Level Cell)」タイプの記録方式は、コンシューマー向けの内蔵SSD製品に多く見られるもう一つの記録方式である「TLC(Triple Layer Cell)」に対して、データ書き込みの際のエラーが少なく、安定したパフォーマンスを得られることが特徴。SSDはデータの書き込み回数の上限、つまり“寿命”のある記録媒体だが、MLCの方が一般的に長寿命とも言われているので、安心して長く使えそうだ。今回はこのMX100シリーズにラインナップする512GBのSSDを、総合的なコストパフォーマンスの高さから選んだというわけだ。

なお、今回は筆者がMacBook Pro 13インチ(Mid 2010)で行った換装の手順をご紹介するが、市販されている多くの内蔵SSDが2.5インチで、接続形態にSATAを採用している。交換を行う前に、お手元のPCが同じ2.5インチでSATA接続のストレージを採用しているものか確認しておくのが良いだろう。ノートPCの2.5インチHDDの中には9.5mm厚、または薄型のPC向けには7mm厚のHDDが使われていることが多いが、最近の内蔵SSDの標準的な厚みは7mmになりつつあるようだ。CrucialのMX100シリーズも同じだが、9.5mm厚のドライブベイにも装着ができるようスペーサーも同梱されている。MX100シリーズの読み書きの速度は、OSやアプリケーションの起動に関わるシーケンシャルリードが550MB/s、画像編集などアプリケーションによる書き込みに関わるシーケンシャルライトは500MB/sと、どちらも高速性能を実現している。

SSDの厚みは標準的な7mmだが、PC側のドライブベイが9.5mmだった時のためにスペーサーが同梱されている


■SSDに交換してみた

では実際に交換の手順を紹介していこう。なお繰り返しになるが、今回は筆者のMacBook Pro 13インチ(Mid 2010)での作業例を中心にご紹介するため、お手元のPCで実践される場合は交換作業に必要なアイテムや対応製品が異なってくるので、事前にご確認いただきたい。またユーザー自身で行ったHDD交換によるPC本体等の故障やトラブルはメーカーの保証対象外となる。もし実践される場合は自己責任のもとでトライしてみて欲しい。

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