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ゼンハイザー/SHURE/ベイヤーダイナミックの人気機種と組み合わせ

パイオニア初HPアンプ内蔵USB-DAC「U-05」×人気ヘッドホンスクランブルテスト!

公開日 2014/07/24 12:32 岩井 喬
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筐体/回路/部品すべてが
高音質を目指したこだわりのつくり



ここまでU-05のデジタル系の特徴について触れてきたが、ここからは筺体やアナログ回路にも目を向けてみたい。まず外観であるが、ふんだんにアルミ材を用いたボディは手に持つとサイズ以上の重量を実感する。トップパネルとフロントパネルは一枚のアルミ板から成型されており、サイドのアルミパネルを含め表面上に留めネジが一切見当たらない、精悍なフラットサーフェイスを取り入れた。

筐体はサイドのアルミパネルを含め表面上に留めネジが一切見当たらない、精悍なフラットサーフェイス。

さらにシャーシにはスチール板を一枚加えたリジッドアンダーベース構造を採用し、高剛性かつ低重心な重量級筺体を実現。加えて安定性の高い3点支持インシュレーターを取り入れるなど、細部にわたって妥協のないボディ構造となっている。

シャーシはスチール板を一枚加えたリジッドアンダーベース構造。底面は安定性の高い3点支持インシュレーター。


内部に目を向けると、シールドケース入り独立巻き線構造EI型電源トランスの存在感の大きさに圧倒される。デジタルとアナログそれぞれの回路用にトランスから分離させ、各回路間の干渉を抑える構造とした。こちらも本機のこだわりのポイントである。小型機器に良く用いられるスイッチング方式ではノイズ発信源となることもあり、トランスを用いるリニア方式を取り入れることは必須であったという。筺体サイズと比べても容量の大きなサイズとなっており、DAC部とパワフルなヘッドホンアンプ部を支え切るには十分な構成と言える。

U-05の内部構造

さらに電源コードについてもプリメインアンプクラスの極太タイプを用いるなど、サウンドの根幹を支える土台作りにも余念がないことがうかがえよう。


デジタル入力はAES/EBUが1系統、S/PDIFは光、同軸とも2系統ずつの合計4系統、さらにUSB入力1系統加えた6系統の入力を装備。筺体内部は電源部とデジタル部、そしてアナログライン、ヘッドホンアンプと各々ブロックが分けられ、立ち基板を利用するなどしてスペースを有効に活用しているが、前面、背面とも端子群が豊富に設けられており、内部構成と比較してみるとサイズギリギリの配置となっていることが理解できる。

前面、背面とも端子群が豊富に設けられている。

この高密度に凝縮された回路の中でも大きなウェイトを占めるのが、アナログ回路部だ。DAC段以降はヘッドホン出力まで左右独立の完全シンメトリーなフルバランス回路構成を採用。ライン出力に関してもパイオニアブランドとして久々となるバランスXLRライン出力を装備している。位相切り替えはもちろんのこと、プリアンプとしても利用できるよう、RCA/XLRの両ライン出力はボリューム可変/固定出力の切り替えが可能だ。

前面のバランス駆動用ヘッドホン端子をはじめ、XLR端子は信頼性の高いノイトリック製とし、RCA出力端子も削り出し仕様を採用。内部のパーツに至ってもオリジナルの電源用カスタムコンデンサーや数々のオーディオグレード品を用いている。

ヘッドホンアンプ回路はディスクリート構成
様々なヘッドホンと使える幅広い対応力



ヘッドホンアンプ回路についてもディスクリートで構成しており、一般的なシングルエンド・アンバランス出力が1系統、さらにGNDの共通インピーダンスを排除し、チャンネルセパレーションやS/N、ディティール表現の向上を実現するバランス駆動用として4ピン、3ピンの両方に対応したXLR出力を装備する。これまでは3ピンタイプを採用するヘッドホンアンプが多かったが、4ピン仕様の製品も増えつつある状況を踏まえ、両方のタイプをサポートすることにしたそうだ。

メインボリュームに加え、音量を微調整できる「ファインアジャストボリューム」も備えている。

対応インピーダンスも16〜600Ωまでと、主要なヘッドホンをサポートできるスペックを有しており、2段階のゲイン調整に加え、ヘッドホンごとに微細な調整が行えるFINE AJUSTボリュームも備えている。ヘッドホンアンプ部のサウンドチューニングでは現行の人気ハイエンドモデルをいくつも用意し、検討を重ねたとのことで、サウンドの安定性や音色バランスにも気を遣ったという。


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