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若手評論家4人が聴く ー オーディオテクニカ“IMシリーズ”全6機種総合レビュー

公開日 2013/12/04 00:01
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ATH-IM02  by 高橋 敦 /製品詳細情報はこちら

全ての音がピシッとフォーカスされたクリアな音
個人的には本シリーズ内で最もオススメ



ATH-IM02/¥OPEN(予想実売価格19,800円前後)
バランスド・アーマチュア型ドライバーをそれぞれ1基〜4基搭載する「ATH-IM0x」シリーズ。統一感のある中にも少しずつ異なる音調を備える、充実したラインナップだ。

その中の「ATH-IM02」は、低域用1基+中高域用1基の「デュアル・バランスド・アーマチュアドライバー」モデル。このシリーズは全モデル全帯域のドライバーがそれぞれ専用設計であり、本機の両ドライバーも綿密にチューニングされている。また本機は「アコースティックホーン」を採用。ノズルの内側をホーン形状にすることで高域の減衰を抑え、より繊細な再生を実現させている。

使い勝手等の面では、メンテナンス性を考慮して着脱式ケーブルを採用。他では見かけないタイプの端子を採用しているが、それによって頑丈で確実な接続を確保。装着はケーブルを耳の上に回すループスタイルだ。エルゴノミックデザインのハウジングと合わせて、装着感は良好。コンプライのフォームイヤーピースも付属し、装着感と遮音性に一役買う。

サウンドの特長はまず第一にクリアさ。全ての音がピシッとフォーカスされてコンパクトで、輪郭の曖昧さや余計な膨らみがない。おかげで空間に余白が生まれて、それを背景に音の響きも綺麗に広がる。この特長はアコースティックな音源は当然、あらゆる音源で発揮される。例えばエレクトロポップスのPerfume「Baby cruising Love」では、ボーカルの凝りに凝った定位やエフェクトが明瞭に再現されることで「バーチャルな現実感」が際立つ。

またドラムスで顕著だが、音の立ち上がりと収まりがスパンッと速いためにリズムのキレも素晴らしい。重低音グルーブをドカンと炸裂させるのは得意ではないが、それを補って余りある。ボーカルも秀逸。表現や質感が細やかにほぐれており、声のシャープな成分も刺さらせない。

個人的にはシリーズの中でこの「ATH-IM02」がいちばんのおすすめ。とはいえ他のモデルにもそれぞれの魅力がある。同記事内の他のモデルのレビューも参照して、自身の好みに合いそうなモデルに見当をつけてみてほしい。

次ページ続いて野村ケンジがATH-IM03をチェック

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