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バランス出力の効果は絶大。純正ケーブルも登場

ゼンハイザー初のヘッドホンアンプ「HDVD 800」「HDVA 600」徹底レビュー

2013/11/07 岩井喬
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いよいよ登場、ゼンハイザー初のヘッドホンアンプ

ゼンハイザー初のヘッドホンアンプ「HDVD 800」「HDVA 600」がいよいよ本日発売開始された(関連ニュース)。昨年・秋のヘッドホン祭りで発表以来、1年という時間が経ったとはいえ、そのサウンドを体感すると、待たされただけのことはあるという思いが満ちてくる。

「HDVD 800」

HDVD800のフロント部

世界的なヘッドホンブランドといえるゼンハイザーが初めて手掛けるヘッドホンアンプという点でも注目された「HDVD 800」「HDVA 600」だが、何より驚いたのはヘッドホンブランドが手掛けるアンプとしては初めてバランス駆動出力をサポートしたことだ。これまでいくつかのアンプブランドやガレージブランドで製品化した例はあったが、ヘッドホンのトップブランドが自らその手法を提案してくるとは夢にも思わなかった。これについては後述しよう。

HDVD 800とHDVA 600の違いは192kHz/24bit対応USB入力を含むDACの有無であり、アナログ回路構成は同一規模のものを搭載している。DACを内蔵するHDVD 800は、USBに加えAES/EBUやS/PDIF光・同軸(光は88.2kHzまで対応)、アナログXLRバランス、RCAアンバランスの6系統入力に対応。HDVA 600はアナログXLRとRCAの2系統入力のみとなり、ともにバランスXLRアナログライン出力を装備。またアナログ入力には5段階のゲインスイッチが背面に設けられており、環境に応じて細やかに設定できるよう考慮されている。

HDVD 800の背面端子部。USBや同軸/光デジタル入力などを備える

HDVA 600の背面端子はシンプルな構成だ

両機ともスペック以外のデータは公にされていないため、192kHz/24bit対応DAC(HDVD 800)や左右対称設計のバランス回路構成であること以外、内部構成などの詳細は不明な部分も多い。しかし長年ヘッドホン開発で培ってきたノウハウをベースに、ゼンハイザーヘッドホンを十二分にドライブできる仕様にまとめられていることは確かだ。

長年リファレンスヘッドホンとしての地位を築いてきた「HD 650」やオープン型ハイエンド機の頂点といえるフラッグシップ「HD 800」、その系譜を引き継ぐ最新の軽量オープン型「HD 700」。これらのヘッドホンそのものを理解しているとともに、その駆動を担うアンプについても長年見識を深めてきた開発陣の手によって設計されたものであり、まさにゼンハイザー自身が理想とするヘッドホンシステムがこのHDVD 800とHDVA 600によって完成するといえるだろう。

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