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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第16回】iTunesをもっと良い音で聴く! Mac版音質向上アプリを紹介

公開日 2012/09/07 15:19 高橋敦
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■音質も機能も最高レベルの「Audirvana Plus」

次に紹介するのは音質も機能も最高レベルを有する再生アプリ、「Audirvana Plus」だ(49ドル)。
http://audirvana.com/

これにも実はiTunesと連動する機能が用意されている。「iTunes Integrated Mode」だ。「iTunes Integrated Mode」をオンにしてiTunes側で曲を再生すると、その曲がそのままAudirvana Plusに受け渡されて再生される。その後の曲の再生操作(一時停止やスキップなど)はiTunes側でもAudirvana Plus側でも行える。

Audirvana Plusを起動してメニューから「iTunes Integrated Mode」を有効に

するとiTunesで再生開始した曲がAudirvanaに受け渡されて再生される

音はもちろん良い。全体のクリアさや音色の抜けはBitPerfectと同等以上。ビシッとした印象だ。加えて、エレクトリックギターのクリーントーンのパキッと樹脂的な硬質さやハイハットシンバルのシャインと響く鈴鳴り感といった、音色の個性もよりはっきりと描き出してくれる。ベースの音像の明確さと音色の力感も大きなポイント。それが音楽の推進力を強めている。

さらにこちらも、USB-DACのサンプリング周波数と量子化ビット数は自動的に変更してくれるのだ。

ディスプレイ部に注目。再生ファイルが「Apple Lossless 24/96kHz」の場合、DACの設定も「DAC: 24/96kHz」に切り替わる

■「BitPerfect」と「Audirvana Plus」、どっちを選ぶ?

さて両方を比べてみると、音質だけならAudirvana Plusが一歩リードと感じる。しかし使い勝手についてはどちらが有利とも言えない。使い方次第だろう。

BitPerfectは単体では動作せず、iTunesのサポートに徹するアプリだ。であるのでiTunesを中心に考えた場合に、余計なウィンドウが表示されないなど、すっきりとしたインターフェースが実現されている。iTunes単体での利用とほとんど違和感なく、音質向上の恩恵だけを受けられる。

Audirvana Plusはそれ自体が高音質再生アプリであり、インターフェースのデザインも主張がある。iTunesを陰からサポートするアプリではなく、利用感覚は最初に述べた「併用」側に寄っている。しかしだからこそ、メインの再生環境はiTunes、FLACハイレゾの再生時にはAudirvana Plusというようなコンビネーションも可能だ。応用範囲はより広い。

というわけでチョイスの鍵になるのはそのあたりだが、どちらにしても、iTunes単体の音からは確かな向上を得られる。価格もオーディオ機器やアクセサリーの水準からすればお手軽だし、MacなiTunesユーザーは検討する価値大!だ。


高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退。大学中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。 その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。


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