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『2020年のスーパーハイビジョン』

<NHK技研公開>多数の8K展示 − スカラ座8K上映/有機ELの活用/フルHD→8Kアプコンなど

公開日 2014/05/27 20:01 ファイル・ウェブ編集部
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■撮影機材の小型化やハイスペック化も進む

スーパーハイビジョン撮影用機材の進化を示すデモや展示も多数展開されている。まずカメラでは、新たに120Hz対応の超小型カメラが登場した。

120Hz対応の超小型カメラ

同カメラでは、新開発の3,300万画素120Hz単板カラーCMOSイメージセンサーを採用。現行の2倍となるフレーム周波数120Hzを実現したことにより、スポーツなどの動きの速い被写体をより鮮明に撮影することができる。

また、15.1W×12.5H×13.5Dcm、質量約2kgとカメラヘッドの小型軽量化を実現した点も特徴。さらに、専用の光伝送ユニットと接続することで、ハイビジョンと同じ光複合カメラケーブルでの運用が可能なほか、レンズコントロール・インカム・リターン入力、足りー入力などの機能追加も行えるようになった。

約80kgあった第1世代のカメラから小型軽量化が進んでいる

120Hzに対応するだけでなく、有効画素数7,680×4,320、階調12ビット、広色域という面も満たす「フルスペック8Kスーパーハイビジョン映像機器」も展示。120Hz/8K対応のイメージセンサーと、8Kの広色域表色系に対応した色分解プリズム搭載のカメラや、120Hz対応の表示装置、さらに、約144Gbit/sの8K信号を光マルチリンクケーブル1本で伝送できる光インターフェースも開発した。

フルスペック8Kカメラ

120Hz対応の8Kディスプレイも

そのほか、小型のフル解像度8Kカメラの実現を目指し、1億3,300万画素のイメージセンサーも開発。これまで、フル解像度の8K映像を撮影するためには、RGBに対応した3枚のイメージセンサーと色分解プリズムが必要だったが、これを1枚のイメージセンサーのみで行えるようにすることでカメラの小型化につながるというもの。今回開発したイメージセンサーは、現在報告されている動画用イメージセンサーとして世界最高の画素数だという。

1億3,300万画素のイメージセンサー

なお、画素数を増加させると1画素あたりの面積が小さくなり、感度が低下する。そこで従来のものより大きな光学サイズを採用することで1画素あたりの面積を確保し、感度の低下を抑えている。また、35mmフルサイズとほぼ同じになるように設計し、市販のスチールカメラ用レンズを利用できるようにもしている。

そのほか、ソニーの「F65」で撮影したRAWデータを8Kビデオ信号にリアルタイム処理する機能を搭載したベースバンドプロセッサーユニットも展示。同製品はソニーとの協力によって開発されたもので、すでに市販予定もある段階とのことで、「そう遠くない将来に、ソニーからアナウンスがあるのではないか」(説明員)とのことだった。

ベースバンドプロセッサーユニットはすでに市販も近いという

また、スーパーハイビジョン用のメモリー脱着可能な小型記録装置も開発。記録制御部とメモリー部を分離することでメモリーパック単体での着脱を可能にしたというもので、最大12Gbpsでの記録が可能。約45分の8K SHVコンテンツを記録できる。

メモリーパック


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