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『2020年のスーパーハイビジョン』

<NHK技研公開>多数の8K展示 − スカラ座8K上映/有機ELの活用/フルHD→8Kアプコンなど

2014/05/27 ファイル・ウェブ編集部
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NHK放送技術研究所が8Kスーパーハイビジョンやハイブリッドキャストを始めとする各種研究成果を一般に披露する「技研公開2014」が、5月29日(木)から6月1日(日)まで開催される。これに先立ち、プレス向けプレビューが行われた。

技研公開は毎年行われている恒例イベントで、今回のテーマは「ココロ動かすテクノロジー」。8Kスーパーハイビジョンやハイブリッドキャストだけでなく、フレキシブル有機ELディスプレイ、立体テレビの高画質化、番組で映っている物体を触っている感覚を体験できる技術など、31項目の展示が行われる。本稿ではスーパーハイビジョン関連の展示についてレポートする。

■8K“シアターカメラ”で撮影したスカラ座公演を上映

スーパーハイビジョンについては、NHK技研所長の藤沢秀一氏が「2020年の東京五輪開催が決定してから初の技研公開。2020年にはこんなスーパーハイビジョンが見られればいいなという想いを込め、『2020年のスーパーハイビジョン』ということで各種展示を行っている」とあいさつ。「過去にも、オリンピックやワールドカップなどのスポーツイベントは放送技術発展に非常に大きな役割を果たしてきた。『こんな形にしたい』という紹介をしたい」と言葉を続けた。

NHK技研 藤沢所長

「2020年のリビング」とした展示も。壁掛けテレビは8K対応で、手元にはハイブリッドキャストなどで使うタブレットが置かれている

まず、一般視聴者に身近な部分から見ていくと、研究所の講堂を使った「スーパーハイビジョンシアター」にて、ミラノ・スカラ座の来日公演「リゴレット」を8K収録した約10分間のハイライト映像を視聴可能。

大画面スクリーンと22.2ch音響でスカラ座の8K映像を鑑賞できる

同映像はNHKが開発した「8Kスーパーハイビジョン“シアターカメラ”」で撮影。暗いシーンの多い劇場公演の撮影に対応するべく、2.5インチの大型でフル解像度のRGB撮像素子の信号から画素加算処理として出力することによって高感度・低ノイズ化を実現。さらに、観客席の近くで撮影することを想定し、放熱方法の改善によって低騒音化も実現させている。

従来の8Kカメラとの比較

8Kスーパーハイビジョン“シアターカメラ”

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