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≪CES 2003 REPORT≫山之内正氏と巡るCES2003〜東芝次世代DVDレコーダー編〜

公開日 2003/01/10 18:36
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写真は東芝が展示する次世代レコーダーのプロトタイプ
●ハイビジョン記録に対応する次世代大容量光ディスクは、Blu-ray方式と東芝−NEC方式の2種類が提案されている。CESではBru-ray方式のレコーダーの出展が目立つが、東芝も次世代レコーダーのコーナーにプロトタイプを展示した。

東芝が提案している方式は、Bru-rayとは異なり、ディスク構造がDVDとよく似ているため、DVDとの高い互換性を確保できるという特徴がある。今回展示したレコーダーのプロトタイプもDVDの再生に対応することを強くアピールしていた。これまで特に名称が与えられていなかったメディアも、今回からAdvanced Optical Discの略であるAODという東芝独自の名称を前面に出して紹介していた。

最大の特徴は、MPEG4 AVCという新しい圧縮技術を利用し、記録時間を確保していることにある。書き換え型ディスクの場合、1層ディスクの容量は20GBと、Blu-rayよりも若干少ないが、その容量でもハイビジョン番組を4〜6時間録画することが可能だという。圧縮率はMPEG2の約2倍に相当するというから、同じ容量当たり、約2倍の記録時間を達成できることになる。

BSデジタル放送のハイビジョン番組を録画する場合は、MPEG2-TS信号をいったんMPEG4 AVC方式に変換して記録する。その際の画質劣化をいかに少なくするかが、今後の課題といえるだろう。なお、今回のデモンストレーションでは、MPEG2方式で記録された映像を見せていた。

MPEG4 AVCの画質は、同時に展示されたハイビジョン対応プレーヤーの試作品で見ることができる。青色レーザーではなく、現行DVDと同じ赤色レーザーで読み取る独自方式で、転送レートは10Mbpsを割っているが、見かけ上の画質劣化は数字ほど大きくない。背景のノイズなどが若干多めだが、ハイビジョンの精細度を確保した映像を見せていた。

(山之内 正)

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