ケーブルブランド探訪記(SILTECH編 その3「Classicシリーズ1」)

公開日 2004/03/05 08:39
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「SQ-88 Classic」\167,000(1mペアRCA/XLR)
●第3回目よりいよいよシルテックケーブルのラインナップをご紹介する。この度日本で発売されるラインナップは導体にG5(金の補間率95%)を導体に採用したClassicシリーズとG7(金の補間率97%)を導体に採用した最上位のSignatureシリーズとなっている。

まずは、前者Classicシリーズのインターコネクトケーブルをご紹介することとする。シルバー=ゴールド導体G5を採用しX-Balanced・Micro・Technology等の独自の技術を取り入れた同シリーズのインターコネクトケーブルは3種類がラインナップ。違いは芯線の太さとWBT社製のRCAプラグにより、「SQ-28 Classic」(WBT0144)、「SQ-88 Classic」(WBT0101)、「SQ-110 Classic」(WBT0101)となっている。

またこの3種類にはそれぞれにXLR端子仕様も用意されているのでご利用いただきたい。

ハイパワーで低損失かつ外来ノイズの干渉を完璧にガードしてくれるこのラインナップ。予算に合わせてお選びいただきたい。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)

●インターコネクトケーブル
「SQ-28 Classic」(WBT0144)
\80,000(1mペアRCA/XLR)他の長さの受注あり

「SQ-88 Classic」(WBT0101)
\167,000(1mペアRCA/XLR)他の長さの受注あり

「SQ-110 Classic」(WBT0101)
\300,000(1mペアRCA/XLR)他の長さの受注あり

●ブランド紹介
SILTECH(シルテック)社は1984年8月にオランダで設立された。現在のPresident and CEOはEdwin van der Kley(エドウィン・ファン・デル・クレイ)氏であり、1992年以降は同社の株主でもある。創業当社はケーブルだけではなく、アンプや、あるいは医療機器なども開発していたが、現在はケーブルの開発のみに絞り経営し、40カ国以上で販売実績を誇る世界有数のケーブルブランドとなっている。
【導体】
純結晶化シルバー=ゴールド導体を採用。同素材の採用は金の原子が銀結晶間の隙間を埋める充填材としての決定的な役割を果たすという冶金学的現象を発見したことから始まった。この銀結晶構造に24Kゴールドを追加した導体は信号の損失を一切排除し、世界最小レベルの超低歪(高調波歪み率:0.0000001%)を実現させたのである。そうは言っても同社は始めから上記の導体を採用していたわけではない。最初はピュアシルバーのフラットケーブルから始まり、試行錯誤を繰り返すことで97年に80%の金の補間率を持つGeneration3を誕生させ、ついに97%の補間率を持つGeneration5、99%の補間率を持つGeneration6を実現させ現在に至っている。「合金ではなく、シルバーの構造上の欠点を埋めるために金を注入した」とクレイ氏が語るこの冶金技術は、自国の大学の協力を得て、さらなる進化を目指して日々研究が続けられているという。
【構造】
ラインナップ共通の基本はツイストペア構造(デジタルのみ同軸構造)を採用している点である。これは「よりシンプルで完璧性が得られる」点を考慮したものであると言う。このツイストペアの構造においても、同社ではある工夫か施されている。2本または4本の芯線は磁界による相互干渉を最小にする理想的な90°に近い角度で撚り合わされているのである。これを「X-Balanced・Micro・Technology」と呼び、高いシールディング効果を実現させている。最前線の磁気研究により誕生したこの技術により、磁界が一般的なケーブルの約1/1000となり、残留ノイズを約40〜60dB減少することができる。また理論上のS/N比も160〜180dBを獲得し、使用機器に関わらず最高の再現性を引き出すことができるのである。
●その他の素材
絶縁材は高い絶縁性と耐熱性を持つシート状のカプトンを2重に巻き、テフロン、ピークと組み合わせることで高い絶縁特性とともに高耐圧、高耐熱を実現している。また、最上位のSignatureシリーズでは、ケーブルの両端に航空レベルのアルミ合金ケースを装着することで高い防振性を確保し、マイクロフォニックノイズを排除している。  

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