巻頭言

褒賞の秋

和田光征
WADA KOHSEI

いよいよ年末商戦である。同時に小社ではグランプリのシーズンとなる。年末商戦を成功させるべく「業界の建設的な発展に寄与する」理念が根本を成す各種の褒賞によって盛り上げていきたい。

今から37年前、小社の創業30周年を記念して創設したのが「オーディオ銘機賞」である。オーディオ専門店+オーディオ評論家で構成する審査員体制は注目を浴び、その公正なる運営によってこのアワードは業界発展に大きく寄与し、現在ではオーディオ各賞の中核を成す存在となっている。

そして、そこから派生した「オーディオアクセサリー銘機賞」「アナロググランプリ」も商戦を盛り上げる大きな力となっており、オーディオ業界の発展に寄与している。ケーブルや電源、小物アクセサリー商品群に表舞台で陽をあて、オーディオ産業を厚く広くしていったことは特筆すべき意味を持っている。2004年に発刊した「アナログ」誌は現在のアナログブームを創り出した。その役割は大きく、ハイエンドアナログ機のアワード「アナロググランプリ」は、今や海外を含めて注目の的となっている。

世の中が激変する状況の中にあって、オーディオはユーザーが増加していて、極めて安定感のある産業であると私は認識している。それは業界にとっても素晴らしいこと。世代を超えてしっかりと守り抜かなければならないとともに、全力をあげて貢献していきたいと思っている。そういう意味でオーディオのアワードを大切にしていきたい。

ビジュアル業界も、リーマンショック、エコポイントバブルを経て業界の再編がなされるなど、今なおその余波がつづいているが、「VGP(ビジュアルグランプリ)」は救世主のごとく業界に貢献している。今や全国区の存在を超え、海外にまで波及し揺るぎないブランドとなった。

ここにきて4K製品が注目を浴び、また、2020年の東京オリンピック開催に向けたメーカーの取り組みも活発化して、有力商品が次々に投下されてきている。とりわけ今回は有力商品が多く大いに期待したいし、VGPが市場活性化を促すパワーになると確信している。「VGP」は業界の健全な発展を基本理念として、いかなる状況であろうと全力で展開してきたが、これからも役割をしっかりと果たしていきたい。「ホームシアターグランプリ」も、揺るぎないホームシアターブームを盛り上げるアワードとして注目を浴びている。

さらに、これら「オーディオ銘機賞」「アナロググランプリ」「オーディオアクセサリー銘機賞」「ホームシアターグランプリ」は、中国語版として刊行される媒体で発信される予定である。

われわれが関わる産業が平和産業であることを、私は誇りに思うとともに、人類に対する天からの贈物であることを認識し、感謝したいと思う。故にこれを発展させる義務もまたあるのだと心に刻んでいるし、その思いはさらに高揚しているこの頃である。

こんな折、故里から「かぼす」が送られてきた。大分県JA竹田のもので、良質を誇る一品である。季節は秋へと足早に移っていく。

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