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L-509f

LUXMAN
L-509f

¥410,000(税抜)

発売:2001年8月
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低域に馬力のある非常に力強い駆動力が印象的

【SPEC】
●連続実効出力:160W+160W(8Ω)、240W+240W(4Ω) ●出力電圧:RECORDER:180mVP、RE- OUT:1V ●消費電力:310W(電気用品安全法による規定) ●外形寸法:467W×179H×440Dmm ●質量:25.5kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

楽音のひとつひとつを重厚に描き出していく

同社のプリメインとして最高峰のL-509をリファインしたモデルだ。主要なポイントは高い評価を獲得しているODNF回路。

ODNFは、音楽信号からNFBを排除するという斬新な手法である。増幅段に超広帯域・ハイスルーレート/低歪み率の回路を開発し、これによってまずNFBに伴う位相補正を排除。さらにNFB自体も、出力から歪み成分だけを抽出して出力段へ戻し、音楽信号のフィードバックをなくしている。このため音楽信号には一切フィードバックがかからず、立ち上がりのエネルギーを維持したままで歪みだけを打ち消すことが可能になった。また位相補正を用いないため、これによる純度の劣化も抑えることが可能である。これがODNF回路である。

このほか本機では、パワートランジスターを2パラレルから3パラレルに拡大。これに伴って電源は670VAの大型トランスと10,000μFの大容量コンデンサー4本という大規模な構成に強化。重量級のシャーシに各パーツを強固に取り付けた内部構造や厳重なシールドによって、回路間の干渉排除も徹底した。

音調はワイドレンジでダイナミック。低域に馬力のある非常に力強い駆動力が印象的だ。高域の伸びやかさはもとより、中域以下の帯域でもきめの細かいひだを形作っているのがスピーカーに対する制動力の現れである。ピアノのタッチも低域で強靱。弦楽器の質感も骨太に捉えている。オーケストラは楽音のひとつひとつを重厚に描き出していく雰囲気だ。立ち上がりは速いが当たりは柔らかく、フォルテに向かってぐいぐいと盛り上がってゆくときのダイナミズムに快感がある。安定感ときめ細かさに溢れたエネルギッシュな再現力である。

(text:井上千岳)