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SQ-88

LUXMAN
SQ-88

¥450,000(税抜)

発売:2000年10月
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真空管アンプならではの色気を感じさせる表現力

【SPEC】
●定格出力:50W+50W(6Ω) ●全高調波歪率:0.5%(6Ω、1kHz) ●周波数特性:20Hz〜20kHz(+0、-0.5dB) ●トーンコントロール最大変化量:±15dB ●消費電力:230W(電気用品取締法の規定による) ●最大外形寸法:424W×194H×384Dmm ●質量:24.5kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

ナチュラルかつ仄かな温かみを感じさせる真空管サウンド

型番からも分かるように、出力段に高出力で知られるポピュラーな真空管KT-88が使われている。本機では元々パワフルなこの球をプッシュプルで使うことで50W/ch(6Ω)というハイパワーを得ているが、真空管アンプは聴覚上ソリッドステート式の倍以上に感じられるので、ほとんどのスピーカーで音量不足を感じることはないはずだ。また音の鮮度や生命感をスポイルすることのないようトータルでのNFBを必要最小限にとどめ、ハイパワーと音質を両立させているのも特徴だ。また本機では、定評のあるOY型を使用している。入力端子はライン系4系統に加え近年では省かれることの多いフォノイコライザー回路も搭載し、手軽にアナログディスク再生も楽しめる。

本機も同社ソリッドステート式アンプと同様、ややヒートアップに時間を要するタイプのようだ。20分ほど、そのナチュラルかつ仄かな温かみを感じさせる真空管サウンドに身を任せていると、高域端も伸びが感じられるようになりシンバルの微かな余韻やピアノの残響成分がクリアになり音場全体の透明度が高まってきた。といっても最新鋭のソリッドステート式のようなどこまでも果てしなく伸びているようなところはないが、逆にそうした製品にありがちな虚しさはなく実体感に満ちたサウンドである。

「ミスター・ボージャングル」などはウッドベースの暖かく深みのある豊かな響きをリアルに引き出しながらも、ディテールを曖昧にすることなくピチカートのニュアンスを正確に伝えてくれた。ピアノもベーゼンドルファーインペリアルらしい重厚感を湛えながら、高域は適度に艶がのり、フレージングに色気が感じられる。ロックを比較的大きめな音で聴いた時でも鋭敏過ぎる響きを巧く抑えてくれるのも好ましい。

(text:小林貢)