トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > Gadgetニュース

公開日 2023/11/16 18:33
NVIDIA製GPU依存から脱却するため?

マイクロソフト、独自開発AIチップ「Maia 100」「Cobalt 100」発表

多根清史
マイクロソフトは年次イベント「Microsoft Ignite 2023」にて、2つの独自開発AIチップ「Azure Maia 100 AI Accelerator」と「Azure Cobalt 100 CPU」を発表した。このうち後者は、最近の主流スマートフォンと同じくArmベースである。

Maia 100はAIモデルの訓練と実行に使用でき、Cobalt 100は汎用ワークロードの実行用に設計されているとのことだ。両方とも、2024年初めにAzureデータセンターへの展開を開始し、当初は同社の生成AI製品群であるCopilotや、OpenAIモデルが利用できるAzure OpenAI ServiceなどのAIサービスに活用されるという。

Maia 100は1050億トランジスタを搭載し、5nmプロセス技術で最大級のチップだという。Azureハードウェアスタック専用に設計されており、大規模なAIインフラとチップ設計の垂直統合は、パフォーマンスと効率に大きなメリットをもたらすとのことだ。

かたやCobalt 100は、64ビットの128コアチップ。現行世代のAzure Armチップと比較して最大40%の性能向上を実現し、クラウドネイティブ製品でより高い効率とパフォーマンスを実現するために最適化したとのこと。Armアーキテクチャを選んだ理由はデータセンター全体で「ワットあたりのパフォーマンス」最適化を目指すためで、つまり省電力性能に優れているからというわけだ。

マイクロソフトがArmチップを独自開発しているとの噂話は、数か月前から伝えられていた。今回はデータセンター向け用途が強調されているが、2024年に登場とみられる次期「Windows 12」にてハードウェアとソフトウェア体験の最適化や、「強力で効率的な、AIに特化したプラットフォーム構築」も視野に入っていると推測されている。

ただし、これらカスタムチップは、データセンター全ての他社製チップをすべて置き換えるものではないようだ。「内製チップを加えることで、すべての要素をマイクロソフトのクラウドとAIのワークロードに合わせて調整できる」として、既存のサーバーに「加え」て「調整」する役割が強調されている。

マイクロソフトと密接に協力するOpenAIが、独自のAIチップ製造を模索している噂も報じられていたが、その背景にあるのはNVIDIAがほぼ独占的に供給しているAIチップ(GPU)の不足や高騰である。

今回のMicrosoft Igniteでは、AIサービス「Bing Chat」を「Copilot」にリブランディングし、自社のEdgeだけでなくChromeやSafariなど、あらゆるウェブブラウザから利用可能になると発表していた。それに伴い激増するサーバーへの負荷に対応するため、独自AIチップ投入も急がれたのかもしれない。

Source: Microsoft(1), (2)
via: TechCrunch

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 Apple Musicが「史上最高のアルバム100枚」を発表。10日間にわたり10作品ずつ公開
2 レコード再生で使う「フォノイコライザー」の役割とは? 選び方のポイントは?
3 『デューン 砂の惑星 PART2』IMAX&ドルビーシネマ再上映が決定。5/17から
4 Beats新ヘッドホン「Solo 4」は試聴マストかも? 前世代と比べて音が大きく変わった
5 <HIGH END>JVCから新D-ILAデバイス搭載、輝度も向上した旗艦8K対応プロジェクター。国内も5月下旬発表へ
6 高まった装着感とリーズナブルな価格。Shokz「OpenFit Air」は“ながら聴き”イヤホン最良の選択
7 <HIGH END>ソナス・ファベール「SONETTO G2」デビュー/エステロン、アヴァンギャルドも新作発
8 プロダンサーも驚愕の音質と装着感! ゼンハイザーのスポーツ向け新TWS「MOMENTUM Sport」レビュー
9 ビクター、ディズニーコラボTWS・第2弾。ベイマックス/ラプンツェル含む5モデル
10 REGZA、2年ぶりモデルチェンジの4K有機ELテレビ「X8900N」。ゲーム専用GUIとネット動画高画質機能を追加
5/15 11:18 更新

WEB