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「remote」「wireless」がモデルチェンジ

beyerdynamicのテスラテクノロジー搭載イヤホン、第2世代「XELENTO」を聴く

公開日 2022/10/28 15:57 山本 敦
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■第2世代のXELENTOシリーズを聴く



それでは、気になる第2世代XELENTOシリーズのサウンドをチェックしていこう。まず最初に、XELENTO wirelessをソニーの「Xperia 1 IV」にペアリングして聴いた。コーデックはaptX Adaptiveを選択して、Xperiaに保存したハイレゾの音源やAmazon Musicのハイレゾ配信を聴いた。

Xperia 1 IVをペアリングしてXELENTO wirelessを試聴した

なおXELENTO wirelessは、Google Fast Pairに対応しているので、Androidスマホとのペアリングがとても簡単に行える。

AndroidスマホはGoogle Fast Pairによる簡単接続が使える

初めに、原田知世のアルバム「Fruitful Days」から『一番に伝えたい』を聴いた。透明感あふれるボーカリストの声質を、とても素直に再現する。音の輪郭がとても鮮明に描かれ、ニュアンスの変化に富んでいる。ギターにバイオリンなどストリングスとの相性もとても良い。楽器の音色が自然に色濃く浮かび上がり、高音域の立ち上がりがとてもスムーズで耳に優しく馴染み、バンドによる演奏の情景を、とてもリアルに感じさせてくれる。

山中千尋のアルバム「シンコペーション・ハザード」の楽曲『ヘリロトロープ・ブーケ』では、エレクトリックピアノのふくよかな音色に包まれる。やはりハイトーンのエッジが立つことがなく、柔らかくピュアな音が体の芯に染み込むような温かみに魅了される。初代のXELENTOシリーズよりも、高音域の再現がとても素直で柔らかい印象を受けて、筆者は好ましく感じる。ウッドベースの低音は立ち上りが鋭くスムーズ、芯の力強さが充実した。

Official髭男dismのアルバム「Traveler」の『宿命』では、ボーカルのハイトーンが爽やかに突き抜ける。ホーンセクションの切れ味も抜群に良い。フィンガースナップやパーカッションの多彩な音色に包まれるリズムも、ひとつひとつの音の粒立ちがきめ細かく、縦横、そして奥行き方向に広がる空間のサイズに限界を感じさせない。ハウジングは密閉型なのに、まるで開放型のイヤホンを聴いているようだ。透明な空気感の再現力が高い上に、聴感上のS/Nが良く、帯域やダイナミックレンジの広さのバランスが整っている。聴覚があらゆる方向から刺激され、気が付けば音楽に深く入り込んでしまっていた。

エンハンスモードの効果も期待通りだった。チェロのヨーヨー・マ、マンドリンのクリス・シーリー、コントラバスのエドガー・メイヤーによるアルバム『バッハ:トリオ』から、「トリオ・ソナタ 第6番 ト長調 BWV530 〜第3楽章:アレグロ」を聴いて確かめた。

アプリからもエンハンスメントモードの切り替えが行える

モードをオンにすると、音楽の重心が下がり、中低音域の安定感が増す。マンドリンの旋律は粒立ちが華やかさを増して、メロディがいっそう伸びやかに躍動する。弦楽器の音はしっとりと潤い、余韻の響きにいっそうの彩りが加わった。美しいハーモニーの一体感も、さらに熱気を帯びる手応えがある。

XELENTO wirelessの連続音楽再生時間は、エンハンスメントモードをオフにすると約14時間、オンに切り換えると約9時間半とされている。スタミナは十分なので、音楽や映画・ドラマなどエンターテインメント系のコンテンツを楽しむ際には、「常時オン」にして使い倒したい。

■上質を極めた新XELENTO。有線・無線の両方で楽しみ尽くしたい



XELENTO remoteはバランスケーブルをつなぎ、ソニーのウォークマン「NW-WM1AM2」をリファレンスとして同じハイレゾ音源を聴いた。

ソニーのウォークマン「NW-WM1AM2」と組み合わせてXELENTO remoteを聴いた

当然ながらXELENTO remoteもまた、音楽プレーヤーが持つ素性をとても忠実に引き出すイヤホンだ。ニュートラルでむやみな色づけがない。やはり初代のXELENTO remoteに比べると、高音域の鋭さが和らぎ、自然な温かみを再現する。描かれる音楽がとても立体的で力強く、繊細なニュアンスの再現にも富んでいる。極めてリアルに描かれる音楽が、リスナーを力強く惹きつけるだろう。

イヤホンは、多くのケーブルと互換性を確保した、一般的なMMCX端子を採用している。有線ケーブルによるバランス接続に対応する環境も用意して、新しいXELENTOのサウンドを楽しみ尽くしたい。

◇◇◇


ベイヤーダイナミックは10月13日にグローバルプレスリリースを行い、第2世代のXELENTOシリーズを同日から順次世界の各地域に展開することを発表している。

欧州の販売価格はXELENTO remoteが999ユーロ(約14.6万円)、XELENTO wirelessが1,199ユーロ(約17.5万円)となる。ベイヤーダイナミックの本国担当者に確認したところ、「新しいXELENTOシリーズを日本でも積極的に展開する」と返答を得た。ぜひ多くの方々が新しいXELENTOシリーズを体験できる機会が早く整うことを期待したい。

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