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【PR】音質や使い勝手を速攻レポート

ビクター新完全ワイヤレス「HA-FW1000T」速攻レビュー! 伝統の“ウッド”搭載機がついに登場!

公開日 2021/10/20 11:30 高橋敦
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PET樹脂をベース素材として、振動板中央に超薄膜に削り出した樺材を貼り合わせてドーム部を成形。さらにPETはカーボンコーティング。ドーム部分でウッドらしさを強く発揮し、振動の支点として可動する外周部では強靭かつしなやかというカーボンコーティングPET樹脂の特性を生かす、ハイブリッドなウッド振動板だ。口径も大口径11mmとなっている。

ドライバー全体の設計としては、頑強なステンレス製ドライバーケースによって音の雑味を排除。そしてドライバー後方に大容量の音響空間を確保し、ドライバーのポテンシャルを損ねることなく引き出す。

ドライバーケースを用いた構造は前述のウッド振動板有線ハイエンド、HA-FW10000やHA-FW1500と共通。ドライバー後方の音響空間は完全ワイヤレスのハイエンド「HA-FX100T」と共通。それらで培ったノウハウが投入されているわけだ。

HA-FW1500

定番イヤーピース「スパイラルドット」シリーズの最新タイプ「スパイラルドットPro」の採用も見逃せない。

「イヤーピース内側にスパイラル状に配置したドットによって音を反射拡散させ直接音とのバランスを最適化」というシリーズの基本に加え、そのドットに沿うように螺旋的な凹凸形状も追加。銃器のライフリングのような雰囲気だ。フォルムの微調整、素材の見直しも行われ、装着感や密着度もさらに高められている。

人気のスパイラルドットイヤーピースが新たに「スパイラルドットPro」へと進化

■aptX AdaptiveとK2テクノロジーでワイヤレスでも高音質化

そして「そのウッド振動板ドライバーを中心に磨き抜いたアコースティックに向けて、そのポテンシャルを生かせるハイクオリティな音声信号を送り込む」というのがこのモデルのコンセプトであり、登場がこのタイミングとなった理由でもあるのではないかと思われる。

まず本機は、Bluetoothの伝送コーデックとして最新の「aptX Adaptive」に対応。現状のaptX Adaptiveコーデック対応スマホとの組み合わせで最大48kHz/24bitでの伝送が可能だ。

加えて「96kHzまで対応」の記載もあり。今後続々と登場と期待される「Snapdragon Sound」対応ハイエンドスマホとの組み合わせでは、96kHz/24bit伝送も可能と見込まれる。

つまり本機は、完全ワイヤレスでありながらいわゆるハイレゾに近い情報量の音声信号を受け取れるわけだ。であるからこそ完全ワイヤレスにしてウッド振動板搭載イヤホンを名乗るに足るクオリティに到達できたと言える。

aptX Adaptiveの普及とその先のSnapdragon Soundの展望なくして、ウッド振動板搭載完全ワイヤレスの投入はなかったのではないだろうか。

さらに本機は完全ワイヤレスとしては初めて、SBC/AAC/aptXで伝送されてきた音声信号に対しての「K2テクノロジー」による高音質化処理も実現。伝送時の圧縮で損なわれてしまう音の成分をビクタースタジオ生まれのK2技術で復元し、ハイレゾ相当の高音質データにまで引き上げる。ネックバンド型ワイヤレスへの搭載は実現していたが、遂に完全ワイヤレスへの搭載も成し遂げられた。

aptX AdaptiveとK2テクノロジーによって、伝送時の音質ロスで最終的な音質が頭打ちになってしまうという完全ワイヤレスの弱点を克服。それがウッド振動板と並んでこのモデルの鍵となっている。

通常のBluetooth接続とK2テクノロジー適用時の違い

そしてそれら様々な要素がある上で、最後の決め手となっているのは「Tuned by VICTOR STUDIO」。本機の音質は、名録音を生み出し続けるビクタースタジオのエンジニアも参加してのチューニングによって仕上げられている。

■使い勝手も万全。音質だけじゃない魅力

音質こそが本機の強みではあるが、かといって本機は機能性や使いやすさは無視して音質一点勝負!なんてモデルでもない。

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