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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第262回】

Fostexの組み立てキット「RPKIT50」で自作体験!世界基準の平面駆動型モニターヘッドホンを自分色にしよう

公開日 2021/08/12 06:30 高橋 敦
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チューニングプランを考える

チューニングパーツとその効果を把握したら、組み合わせによるチューニングのプランを考えてみよう。いちばん楽しいところだ!

とはいえ、どんなチューニングにするかはみなさん次第なので、それ自体についてこちらから言うことは特にはない。ここでは、チューニングをより円滑に進めるための、考え方の例をいくつか挙げておこう。

◯まずは「標準」をスタート地点にするパターンが無難
まずはすべて「標準」の組み合わせを基本に、そこからどう変えていくかを考えていくのがやりやすいかと思う。完全標準で一度組み上げて、その音を確認した上で、それを基準にチューニング変更を考えていく堅実策もありだ。

◯交換しにくいパーツを先に固めて交換しやすいパーツで試行錯誤
どのパーツから先に選択を固めていくべきかについては、「組み上げた後でのパーツ変更が面倒な部分から先に固める」のがおすすめ。

例えばイヤーパッドはいちばん先に着け外しでき、いちばん簡単に交換できるパーツだ。バッフル用ダンパーも、イヤーパッドを外すだけで交換できる。ここまでは工具も不要。

一方、ハウジング用シートとユニット用ダンパーの交換は、イヤーパッドとバッフル用ダンパーを取り外したところからさらにネジを外しての作業となる。

なのでハウジング用シートとユニット用ダンパーの選択は、できるだけ早い段階で固定したい。そしてそれを土台に、交換しやすいバッフル用ダンパーとイヤーパッドの部分で試行錯誤するわけだ。

◯イヤーパッドは装着感重視で選ぶのもあり
パーツの中には音だけでは選べないものもある。イヤーパッドだ。合皮とベロアでは装着感が大きく異なるので、それも考慮しないわけにはいかない。

装着感が好みなイヤーパッドを選んだ上で、そのイヤーパッドのチューニング特性に対して他のパーツを選んで落とし込んでいくという考え方も、場合によっては必要だ。

◆参考例:筆者チューニングプラン

1)モニター的な「標準」仕様を基本に
モニターヘッドホンらしいバランスの良いサウンドはそもそも好みなので、ベース機T50RPmk3に合わせた「標準」を基本に。
→音作りの土台となるハウジング用シートは標準の「不織布=半開放型」を選択。

2)低域も十分には確保したいがそれよりも制動感を重視
現代的なローの厚みやサブベース帯域の沈みは確保したいが、それよりも、低音が中域寄りで膨らんでしまうのを避けることを優先。
→ユニット用ダンパー「有り」で低域ダンピングしつつ、以降の他の要素は低域を引き出す方向で選ぶ。

3)ベロアの肌触りが苦手
単純に肌触りが苦手なのでベロアイヤーパッドは避けたい
→「合皮イヤーパッド」を選択。こちらは「標準」仕様なので音の面でもこちらで問題ない

4)バッフル用ダンパーを選択
上記に対して、交換が容易なバッフル用ダンパーの選択で低域を「標準」または「ブースト」して仕上げる。それでも低域が不足と感じたらユニット用ダンパー「有り」への変更も検討。
→実際に組み立て、比較検討した上で「高密度(低域ブースト)」を採用

筆者チューニング例。ユニット用チューニングダンパーでドライバーの動きを抑えて制動感を出した上で、バッフル用チューニングダンパーでは低域を十分に引き出す組み合わせ


実際に組み立ててみて感じたポイント

プランが決まったら、いよいよそれを具現化する組み立て作業だ!作業の流れは前述のビデオを見てもらった方が分かりやすいので視聴を推奨、ここからは実際に組み立ててみて感じたポイントを挙げて紹介する。

次ページ組み立てで気をつけたい、6つのポイントを紹介

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