HOME > レビュー > アップル「AirPods Max」レビュー。61800円は高くない、唯一無二のヘッドホン

あらゆる角度から真価に迫る

アップル「AirPods Max」レビュー。61800円は高くない、唯一無二のヘッドホン

2020/12/13 山本敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
アップルがアラウンドイヤースタイルのプレミアムヘッドホン「AirPods Max」を12月18日から順次発売する。価格は61,800円(税抜)。先日の開封レポートに引き続き、今回は本機の音質やANCとヒアスルーの効果など、気になる実力を体験したレポートに深く切り込んでいきたい。

アップルが独自に設計した本機のアコースティックパーツやワイヤレスオーディオデバイスのためのSiP(System in Package)であるApple H1チップ、最先端のソフトウェアの組み合わせにより実現するコンピュテーショナルオーディオ、ANCと外部音取り込み(ヒアスルー)機能、プロダクトデザインの観点から注目すべきポイントなど、プロフィールについてはニュース記事でも詳細を解説しているので合わせてご覧いただきたい。

飾らないシンプルで上品なデザイン

AirPods Maxは密閉型のハウジングに酸化皮膜処理を施したアルミニウムを採用している。つや消し塗装の仕上げもなめらかだ。側面にはアクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)とハンズフリー通話のために設けられたマイクの穴がある。

質感の高い酸化皮膜処理を施したアルミニウムを採用する密閉型ハウジング

側面にANC、通話用のマイクを配置。スリットを設けている

左右がシンメトリックなデザインのヘッドホンだが、イヤーカップには左右の区別がある。音量操作や楽曲送り、ハンズフリー通話の受話・終話操作、Siriの呼び出しなどに使うDigital Crownと、ANC/ヒアスルー/オフの3つのモードを切り換えるノイズコントロールボタンが上部に配置されているカップが右側だ。

本体から着脱可能なイヤーパッドの内側には、ニットメッシュのパターンでL/Rがマーキングされている。ヘッドホン本体フレーム側にもL/Rのマーキングがあるので、外したイヤーパッドを再度装着する時に迷うことはないだろう。

マグネットで簡単に着脱できるイヤーパッド。内側にL/Rのマーキングがある

本体にもL/Rのマーキングがあるので、イヤーパッドを装着する方向を間違えることはない

これらの目印だけでも見分けは十分に付くのだが、アップル製品のファンとしては本体の左右どちら側かに左右を見分けるための目印の代わりとしてアップルのロゴマークも配置してほしかったと思う。

イヤーカップは正面方向に90度回転する。全体をフラットな形状にしてから、パッケージに同梱されるSmart Caseにヘッドホンを収納する。

左右のイヤーカップは90度+α回転。全体がフラットな形状になる

遮音性能が高く疲れない。無駄のない快適なフィット感

筆者はヘッドホンで音楽を聴く時にも、メガネを着けていないとスマホ画面を見て選曲すらできなくなってしまうので、メガネのテンプルをゴリっと押さえつけてくるイヤーパッドが苦手だ。

AirPods Maxのイヤーパッドは中のメモリーフォームクッションがとても柔らかく、耳のまわりに柔らかくフィットする。テンプルを押さえつけてくることがないので、長時間身に着けて音楽を聴いていても疲れない。テンプルの部分に隙間ができて音がリークすることもない絶妙なフィットが得られるので、ANC機能をオフに切り換えてみても高いパッシブNC効果がある。

アップル初のオーバーヘッドタイプのプレミアムヘッドホン「AirPods Max」

柔らかなメモリーフォームを採用するイヤーパッド。クッション性が高く、メガネを装着したままでも痛くならない

左右のイヤーカップから伸びるアームの素材は光沢処理のステンレススチールだ。イヤーカップには左右独立して約120度ほど水平方向に回せる機構としている。スプリングの力で頭の側面にイヤーパッドをぴたりとフィットさせる。側圧の強弱のバランスがとても良い。アームの伸縮はスムーズに行えるが、引き出す長さを決めたらそのポジションにピタリと止まるので、リスニング中にズレる心配はない。

ステンレススチールのアーム。任意のポジションでピタリと固定されて止まる

高強度のシリコン素材で作られているキャノピー(ヘッドバンドの頭頂部)は、曲げ伸ばしやひねりにも強いシリコン素材で作られている。通気性を高めるため、フレームの内側はニットメッシュ形状とした。

強度の高いシリコン製のヘッドバンドキャノピー

専用のSmart Caseを装着するとイヤーカップはカバーされるものの、ヘッドバンドの部分がむきだしになる。見た目にはハンドルの付いた小さなポーチのようだ。このままバッグに収納するのは少し不安に感じるかもしれないが、ヘッドホンの筐体はかなり堅牢性が高いので、常識的な使い方の範囲内であればある程度ラフに扱っても心配ないだろう。

シリコン製のSmart Caseが付属する

Smart Caseを装着したAirPods Max。ヘッドバンドが持ち手のようになる

Smart Caseはシリコン素材でつくられており、通電箇所を持たない。少し濡れたり、汚れが付着してもふき落とせるが、外で持ち歩く際にはヘッドホン本体が防滴・防水仕様ではないことを意識して使いたい。

Smart Caseのスリットをかいくぐって本体にLightningケーブルを挿せる

AirPods Maxはヘッドホンの質量が384.8g、Smart Caseは134.5gだ。ヘッドホンと専用ケースを合計したサイズ感は平均的だし、ヘッドホンを身に着けるとフィット感がとても心地よいため、とても軽く感じられた。

次ページAirPods Maxの様々な機能を詳しく紹介!

1 2 3 4 5 6 7 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: