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高性能なオールインワンモデル

エソテリックのA級プリメイン「F-03A」を聴く。レコードも解像度高く堪能できる秀作

公開日 2018/07/05 08:10 石原 俊
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ハーモニーが美しく余韻が心地良い音質。トーンコントロールでさらに楽しめる

まずはCDプレーヤーと接続し、ライン入力の音を聴いた。テストに供した個体は通電しておらず冷え冷えの状態だったが、ウォームアップは比較的早く、5分程度でいい感じの音になり、10分経過時には90%の仕上がりになった。一般家庭で実際に使用する上で、ウォームアップの速さはありがたい「機能」といっていい。

ウォームアップは比較的早く、一般家庭での使い勝手としても良い機能といえる

そのサウンドはA級動作機らしく非常にキレイなものだ。ハーモニーの融け合いが美しく、音の余韻までが耳に心地良い。音を聴覚で追いかけるのが生理的快感ですらある。エネルギーバランスは細身なピラミッド型で、低音はよく出る。低音にはプリッとした質感があり良く弾む。聴感上のSN比が高いので音場が広く、音像には清潔感があるのだが、音楽的には同じエソテリックのセパレート機のような冷静な観察者ではなく、楽曲と演奏の良き理解者といった風情に心が和む。

本機のトーンコントロールの使い勝手についても触れておこう。これはターンオーバー周波数がバス63Hz、ミドル630Hz、トレブル14kHzの3バンドで、通常の2バンドのものとは大きく異なる。特にミドルの上げ下げが音楽に与える影響が大きい。また、トレブルの上げ下げで音場感の印象を変えることも可能だ。これはなかなか遊べる機能である。

トーンコントロールはターンオーバー周波数がバス63Hz、ミドル630Hz、トレブル14kHzの3バンド

レコードでは高級カートリッジの情報量を柔らかく包み込んでくれる

ここでソースをアナログレコードに切り替えた。カートリッジはフェーズメーションの「PP-2000」という超高級機を用いたのだが、本機のフォノイコライザーは全く位負けしない。それどころか、PP-2000の情報量の多さを柔らかく包み込むような振る舞いすらやってのけた。これはA級動作式アンプの「仁徳」のようなものであろう。基本的には解像度の高い音なのだが、音色感を楽しむことができるのだ。

背面端子部。入力はXLR×2/RCA×5(内1系統はフォノMM/MC専用)を用意。その他、外部プリ入力(XLR)×1/プリ出力(XLR/RCA)×各1も装備。オプションボードスロットも用意し、システムアップも可能

本機はエソテリックの切れ味と、A級動作の暖かみを兼ね備えたオールインワン型の高性能モデルである。オーディオ趣味人にも音楽愛好家にもお薦めだ。

(石原 俊)


本記事は季刊・analog vol.58号からの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

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