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“全ch Hi-Fiクオリティ”を掲げるAVアンプ

マランツ「SR8012」の7.1chアナログ入力を、OPPO「UDP-205」と組み合わせて検証

公開日 2017/12/23 09:45 大橋伸太郎
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後半クライマックスへの序曲「アス・アンド・ゼム」で両方の差異がさらに明瞭になった。アナログはベースやアルトサックスの重心が下がり、ダイナミックで密度の高いサラウンド音場。一方のHDMIはサックスが前に出るが総じて一体感、包囲感、没入感主体の音場だ。

UDP-205(左)とHDMIおよび7.1chアナログで接続して音質を検証した

デイブ・ギルモアのボーカルがリバーブ処理で反復されていくが、アナログは発声位置のサラウンドチャンネル間の360度移動が非常に鮮明。あえて比較すればというレベルだが、HDMIはその明瞭感でやや及ばない。後半のディック・パリーのサックスソロ。アナログは吹き上げ迸るような迫力がある。音場密度やチャンネルセパレーション、鮮度などで総合的にアナログが勝るが、聴き手を幻想的に包み込むHDMIのイマーシブな音場表現を好むユーザーもいるだろう。

次にオペラのライブ録音で比較してみよう。バッティストーニ指揮、東京フィルハーモニーの『トゥーランドット』(4.0ch)。HDMIの定位の表現や臨場感にも不足はないが、アナログはステージがくっきり見える。本作は東京サントリーホールでのライブ収録でステージ最前列に主要なソリストが並び、背後にオーケストラ、ステージ裏の客席前列に混声コーラスが並ぶというレイアウトだ。その奥行きと高さが生み出す重層的な音楽のリアルでビジブルな再現性ではアナログが勝る。

SR8012の筐体内部。全11chのパワーアンプ基板を独立して設け、各chの音質を追求している

HDMI、アナログ。どちらも楽音に曇りがなく鮮度が高い。しかし、アナログ入力のほうが独唱歌手の肉声の温度があり歌唱に強い芯がある。脚をステージにしっかり着けている実在感で勝る。女声コーラスのハーモニーの倍音がホール天井へ昇る描写、オケの音圧の高まり、金管の冴えた音色など、極めてクオリティが高い。その日、ホールを満たしていた音楽の響きがそっくりここにある。

映像ソフトでも7.1chアナログ入力のサウンドが活きる

映像ソフトは、前回も使用した『Short Pieace』(ドルビートゥルーHD 96kHz/24bit・5.1ch)の第1話「九十九」をHDMI/アナログを切り替え視聴した。本作のサウンドデザイン上のチェックポイントは、ロスレスハイレゾのきめ細かさを活かした自然な包囲感と、もう一つはダイナミックな移動表現の明瞭さだ。

前者の好例が、主人公が遭遇する妖異の先触れの冒頭、篠突く豪雨の響きだ。パワーアンプを全チャンネル同時出力した際の実力がここで判定出来るが、前回報告したように、帯域を制限されることがなく歪みが耳に付かない点で、SR8012はHDMI、アナログとも互角の高水準。エピソードが進行し、古い反物の妖怪がぱたぱたとはためいて主人公の侍の周囲を高さを変えながら360度旋回するシーンは、アナログが動線(軌跡)の明瞭さで勝っていると感じた。

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