【特別企画】評論家・折原一也が製品をチェック

東芝の液晶テレビ「レグザ Z810X」が「実は最も狙い目」な理由とは? 画質傾向と技術背景に迫る!

折原一也

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2017年02月27日
東芝の液晶テレビ“REGZA”(レグザ)の新たなフラグシップモデル「Z810Xシリーズ」が発売された。同社からは有機ELモデル「X910シリーズ」も発表されているが、評論家の折原一也氏は「液晶モデルのZ810Xこそ実は最も狙い目のモデルとなりそうだ」と評する。そんなZ810Xシリーズの特徴はどこにあるのだろうか?

評論家の折原一也氏が製品をチェックした

■新4K液晶レグザ「Z810X」が目指す高画質とは

2017年のレグザは、東芝初の4K有機ELモデル「X910シリーズ」とともに、4K液晶テレビとしての新フラグシップ機「Z810Xシリーズ」を発表、65/58/50型3モデルで発売を開始した。

REGZA Z810Xシリーズ

有機ELという新しいテレビデバイスが登場した一方で、液晶レグザ「Z810Xシリーズ」はどんな高画質を目指しているのだろうか。開発の狙いと液晶テレビとしての画質ポテンシャルを取材した。

リモコン

まず、液晶テレビ「Z810Xシリーズ」が目指す高画質とは、どんなものなのだろうか。

レグザの目指す高画質の基準は「テレビ番組のような放送コンテンツでは、カメラの前の光景をディスプレイでありのままに再現すること」そして、「映画のような作品系のコンテンツでは、制作者の意図を忠実に表現すること」だという。地上デジタル放送をはじめとする日常的な映像ソースも、AVファンが鑑賞するような映画やアニメといった高画質で作品性の高いコンテンツも、それぞれに最適な映像を映し出すのだ。

2017年は有機ELテレビの動きが本格化して高画質トレンドの話題はそちらに注目が集まりがちだ。しかし、本機「Z810Xシリーズ」に代表される液晶モデルが画質面で有機ELに劣るわけでは決してない。特に、一般的なユーザーの視聴スタイルにおいては有機ELよりも液晶のほうが有利なシチュエーションともいえるのだ。

その代表例が“昼間のリビング”での視聴だ。そもそも、液晶テレビの輝度はバックライトの性能に依存する部分が大きい。高輝度化という点において、液晶は自発光の有機ELよりも有利な方式であり、明るい環境での視聴に向いているといえる。

取材時のようす

レグザの企画に長く携わる東芝映像ソリューションの本村裕史氏は「特に最近のリビングは窓も広く明るいので、液晶テレビの明るい画面が適する状況だと言えます」とコメント。「有機ELは、専用室などで部屋を暗くして没入感を楽しみたい方や、映画や音楽ライブなど骨太なコンテンツを見る方に向いているのです」と続ける。このように、デバイスによって得意とすることが異なるのだ。

映像設計を担当する住吉肇氏は「現時点ではピーク輝度、色域の広さでは液晶モデルが有機ELを上回ります」とコメント。「Z810XはBT.2020の色域を80%までカバーしているため、テレビ視聴だけでなく、4K/HDR映像のゲームをプレイするような用途にも合っています」と語る。視聴環境やコンテンツの相性から考えていくと、有機ELテレビは、暗室で映画や音楽ライブなど作品性の高いコンテンツに没入したい人向きで、液晶テレビは明るい環境で見てもコントラスト感が出せるので、昼間のリビングでも、地デジやゲームなどを楽しみたいという人に向いているといえるだろう。

■いつも見ているテレビ番組がよりクリアに

今回の取材で「Z810Xシリーズ」の映像を観て改めて思ったことは、日常的に何気なく観るワイドショーやニュース番組といった地デジのコンテンツが素晴らしく高画質に見えるということ。実際、家電量販店の店頭でのテレビ番組上映デモでも、レグザの画質が一番良く見えるという声もたびたび耳にする。

新機軸の高画質化技術「AI機械学習HDR復元」

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