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<山本敦のAV進化論 第122回>

【レビュー】定額制音楽配信 実力比較(2)「Google Play Music」− 自慢のレコメンドエンジンの精度に迫る

2017/02/07 山本 敦
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本連載ではいま注目したい定額制“聴き放題”の音楽配信サービスを定期的にピックアップしながらご紹介している。第2回目はグーグルの「Google Play Music」をレポートしよう。

Android端末との相性も抜群。Google Play Musicを試してみた

日本でのサービスは2015年9月3日にスタート。2016年11月に大型リニューアルを実施し、ユーザーインターフェースやレコメンドエンジンをブラッシュアップしている。Android端末と非常に親和性の高いサービスだが、iOS版アプリも提供されているほか、PCブラウザからも利用できる。その他、AV機器にも対応製品が広がる音楽配信サービスだ。

月額料金・無料で試せるサービス

Google Play Musicの月額料金は980円(税込)。ユーザー自身のほか、最大5人の家族も含めて各自が10台までの端末で利用できるファミリープランも月額1,480円(税込)で用意する。無料で試せる期間は30日間だが、本稿執筆時点でソフトバンクとワイモバイルのユーザーは最初の90日間が無料になるキャンペーンが実施中だ。

公式に発表されている楽曲数は3,500万〜4,000万曲。洋楽の勢力が若干強めに感じるが、邦楽もバランス良く揃えている。メニューから「新作」を選ぶと、リリース後すぐにカタログに加わっている作品も多く並んでいる。メニューの「トップチャート」を開くと、いまユーザーによく聴かれている人気の作品をすぐに探せる。

一方で、Google Play Musicだけで見つかる楽曲など“意外性”の要素は少ないように感じる。筆者は日本でのサービスが始まる前に、海外のアカウントでGoogle Play Musicを使っていたのだが、その際には洋楽タイトルの豊富なバラエティに心踊らされたものだ。ところが日本版のカタログは他とそれほど代わり映えが無く、印象が薄いので、アーティストや楽曲がGoogle Play Musicを選ぶ動機としてつながりにくいように思う。

音質/データとインプレッション

モバイルネットワークによるストリーミング再生の音質は「高/中/低」の3段階から選べる。最も高品位な「高」を選んだときのビットレートは320kbpsであることが公にされているが、中と低は明らかにされていない。ストリーミング中に音楽をキャッシュしておく機能が設けられているので、お気に入りの楽曲を何度も繰り返し聴くぶんにはパケット通信量が膨らむ心配は少ない。

Xperia XZでGoogle Play Musicを試聴してみた

320kbpsの最高音質でサウンドをチェックしてみると、中域に独特の厚みと濃さが感じられる。ロックやEDMはビートの打ち込みが鋭く軽やか。面でインパクトを伝えるような迫力がある。ジャズボーカルの輪郭は太く立体的に描かれる。ハイトーンも伸びがふくよかで艶めいている。

クラシックギターは余韻の濃淡が鮮やかで、消え入り際の清涼感が心地よい。S/Nも他の音楽配信サービスと比べて良好であるように思う。全体のバランスは崩さず、聴かせ所を上手に立たせたメリハリのあるサウンドだ。

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