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高い技術力が豊かな音楽性に結実

マランツ「SA-10」の “ディスクリートDAC” は何が画期的なのか? 角田郁雄が徹底解説

2016/12/01 角田郁雄
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クラシックを愛好する方なら、ことさらSA-10の音に感激するはずだ。トランペット、トロンボーン、ホルンなどの金管楽器パートに、演奏会に臨むかのような柔らかで、眩いほどの響きが聴けるだろう。弦楽器にも注目して欲しい。ジャズのウッドベース、クラシックのヴァイオリンソロ、弦楽パートでは、柔らかさを伴い、高密度なので木質感をより一層鮮明にする。打楽器もドラマティックだ。中低域に厚みがあり、バスドラムや壮大なグランカッサの一撃に、アナログレコードのように硬さのない弾力感を憶えるだろう。

こうした音に、アナログを愛好する方も注目するであろうし、格別に鮮やかな倍音再現力の高さにも、惚れ惚れすることであろう。マランツのSA-10のこうした高度な技術回路とアナログマスターに迫る音楽再現性の高さは大きな魅力で、充実した内容であるのにもかかわらず、60万円という価格で実現できたことを、私は高く評価している。このモデルには、海外の愛好家も注目することであろう。長く愛用できる素晴らしいSACDプレーヤーである。

(角田郁雄)

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