バランス駆動に対応した上位モデル

<IFA>パイオニアの新ハイレゾDAP、「XDP-300R」のサウンドを現地から速報レビュー

山本 敦
2016年09月02日
IFA2016に出展するパイオニアから、新しいハイレゾ対応のポータブルオーディオプレーヤーが発表された。明日からのイベント本開催を前に、プレスデイのブースで新製品「XDP-300R」を試聴できる機会を得た。

パイオニアの新しいハイレゾ対応DAP「XDP-300R」(シルバー)

本体背面。パイオニアのロゴを刻印している

XDP-300Rは、国内で先行発売されている「XDP-100R」の上位モデルとして、9月中に国内発売を予定しているハイレゾ対応のポータブルオーディオプレーヤーだ。価格に関する詳しい情報は明らかにされていないが、6〜7万円前後の値付けになりそうだ。

パイオニアは昨年のIFA2015の会場で、ブランド初のハイレゾ対応DAPであるXDP-100Rを発表した。あれからちょうど1年が経って、その上位モデルが登場することになる。写真をご覧いただければ分かるとおり、現行機種の「XDP-100R」から見た目に変化した点が多い。トップに配置していた着脱可能なヘッドホン・バンパーが取り除かれ、スッキリとしたデザインに。底部に目をやるとスピーカーも取り除かれたようだ。カラバリはブラックは現行モデルと一緒で、ホワイトがシルバーに変更されて2色で展開される。

XDP-300Rのブラックモデル


そして何より、本体トップには3.5mm/3極のヘッドホン出力のほか、2.5mm/4極のバランス出力端子が加わっている。パイオニアの担当者によれば、「パイオニアのサウンドは好きだが、発展性を考えるとバランス出力が欲しい」というユーザーの声を受けて採用に踏み切ったのだという。これで機能面ではオンキヨーのDP-X1と肩を並べる格好になったというわけだ。

3.5mmアンバランス出力のほか、2.5mmバランス出力が新たに設けられた

内蔵ストレージの容量は32GB、microSDカードスロットは側面にダブルで配置する。なお、本機もAndroid OS 5.1.1を採用するマルチアプリ対応のプレーヤー。ユーザーインターフェースはオンキヨー、パイオニアともに現行機種から大きな変更点はない。MQA対応にも抜かりはない。

ボトムに付いていたスピーカーがなくなっている

側面にはコントローラーボタンとmicroSDカードスロットを2基備える

本機のサウンドをブースで試聴できた。XDP-100Rのニュートラルなバランスの良さが変わることなく、一つずつ音の輪郭が精彩感を増している。ボーカルは消え入り際の繊細さが際立ち、口元の動きがさらにリアリティを増している。アコースティック楽器の音色は強調しすぎず、それでいて立体的だ。低域の力強さが一段上がったことも立体感の向上に一役買っているかもしれない。

XDP-100Rのホワイト(写真右)との比較

ロックバンドのライブ盤は低音域の足腰がどっしりとしているから、バンドの躍動感にも熱がこもる。エレキギターの音色が煌びやかで少し派手になったようにも感じられるが、この元気の良さは筆者としては好感が持てた。ジャズピアノでは自然なピアノの押し出し感。ベースや低音も弾力感のあるグルーブを唸らせる。セパレーションの明瞭度がもう少し欲しいようにも感じたが、そこはバランス出力に変えると雰囲気がガラリと変わり、クリアに視界が開けた。

ブラックモデルはボリュームダイアルにカッパーをワンポイントとして配置する

XDP-300Rを持参したXBA-Z5で聴いた

MQAの音源も試聴してみる。自然に伸びやかな余韻と、スムーズな声の滑らかさ、一体感が味わえる。バランス接続の効果がやはり大きく現れ、分離感、音の輪郭の滑らかさと鮮鋭感に空気の透明度がグンと上がった手応えありだ。空気が一気に冷たく澄み渡る。音のエネルギーの分厚さも出せるようになった。もはや「エントリー層向けのDAP」とは簡単に呼べないなと思ってしまうほど、確かなステップアップを遂げている。