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従来機と一線を画す格調高いルックス

ティアックの最上位ポタアン「HA-P5」レビュー。小型ボディに凝縮した機能を総検証

2016/06/20 中林直樹
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今から2年ほど前に登場した、ティアック初のDAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「HA-P50」。さらにそのオペアンプを、ハイレゾ対応ポータブルプレーヤー「HA-P90SD」でも採用したOPA1602に変更するなどしたスペシャルバージョン「HA-P50SE」を昨年9月にリリース。いずれも現行モデルとしてラインアップされ、このシーンで独自の存在感を放ち続けている。

ティアックのポータブルオーディオは次のフェーズへ?

そこに新たに加わるのが、今回紹介する「HA-P5」(関連ニュース)である。まずは、そのルックスを見てほしい。HA-P50をはじめとする既存の製品群とは一線を画した佇まいだ。人間工学に基づいてデザインされたという、やわらかな曲線を用いたボディで、先行モデルとはほぼ逆のベクトルといってもいいだろう。

新たにラインナップに加わる「HA-P5」

HA-P50のように、これまでの製品は直線的でシャープなデザインが特徴

シャープな直線で囲まれたHA-P50などからは、据え置き型のDAコンバーターやプリメインアンプ、CDプレーヤーなどを擁する501シリーズ、さらには同社のプロフェッショナル用ブランドである“TASCAM”の製品群とデザイン上の親和性の高さが見て取れるはずだ。

一方HA-P5といえば、そのカラーリングや外装の仕上げは、同社のハイエンドオーディオブランド“ESOTERIC”を彷彿させる。小型機でありながら醸し出される格調高く優美な雰囲気。この部分だけを取り出しても、ティアックの並々ならぬ意気込みが伝わってくるようだ。それは、同社のポータブル機におけるモノづくりが新たなフェーズへ入ったことの証だろうか。

人間工学に基づいた曲線デザインのボディ

さらに、本機の生産もエソテリック同様、東京の自社工場で精緻を徹して行われていることから「Made in TOKYO」を掲げ、それを矜持のひとつとしている。そんな最新モデルにして、最上位機に位置づけられるHA-P5は、注目すべきフィーチャーがいくつも盛り込まれている。ここではその代表的な機能を試聴検証し、そのインプレッションを綴ることにしたい。

検証の前に、製品の特徴を列挙してみよう。まずデジタル回路部では、要となるDAC-ICにBurrBrown PCM1795を採用。DSD 5.6MHz、PCM 192kHz/24bitをサポートする。ちなみにこのチップは、単体コンポーネントのUD-501やTASCAMの業務用レコーダーDA-3000に採用されているものと同一だという。

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