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【特別企画】上級モデル譲りのピュア&パワーを手軽に実現

zonotoneから“再生機"としての電源ボックス第2弾「ZPS-4000」が遂に登場!

公開日 2016/05/19 11:00 井上千岳
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●上級機と本機の音の成果を聴く
音調を変えずS/Nを向上。深い音域まで素直に沈む

その音質も、またZPS-6000に瓜二つといっていい。同じコンセプトで同じ素材を使って作られたのだから似ていて当たり前だが、それでもわずかに違いが見られるのも興味深い。両者の比較も行いながら、本機の音質を確かめることにしたい。

鮮やかなゾノトーンブルーのシャーシは、優れた耐ノイズ性を発揮するアルミダイキャスト製。剛性度が高く、振動に強くて堅牢であり、シールド効果にも富む。それがサウンドのクオリティにも直結。内部配線材には電源ボックス用に新開発した、HiFCを含む3.5スケアの高純度4素材ハイブリッド導体によるプレミアム配線材を採用し、ZONOTONEサウンドの魅力を具現化している。コンセントおよびインレット端子には24K金メッキを採用

仮に汎用的な電源タップから交換したとして、真っ先に感じるのがS/Nの上昇だろう。背景が静かになって音楽音がくっきり浮かび上がってくる感触だ。ある程度以上の電源ボックスなら、多かれ少なかれこうした改善効果は持っているはずだが、本機ではそれがごく自然な雰囲気で行われている。つまり音調の変化がなく、レスポンスがごく均一なのだ。

ピアノのタッチが実に安定している。低音部でもふやけることがなく、深い音域まで素直に沈んで音色が明快だ。高域でも粒立ちの揃った質感が得られるが、そうしたピアノの音全体が何も強調されずに出てくる。そして暖かみを帯びた肉質感も備えている。それらが単に音が良くなった(あるいは変わった)というだけでなく、自然になったと感じさせるのである。


●ZPS-4000ならではの魅力
きめ細かさや厚手の瞬発力まで音楽の起伏を引き出してくる

バロックでもバランスが落ち着いて、音の出方に余裕がある。そしてバロック・ヴァイロインやバロックギター、チェンバロといった古楽器の音に、汚れっぽさが少しも感じられない。だから艶やかなだけでなく、きめ細かく変化がデリケートなのだ。

こうした出方はZPS-6000でも同じように感じられるものである。しかし同機の場合はさらに、ある種の気負いのようなものも見られる。低域の厚手の立ち上がりやエネルギーの強さにはハイエンドスピーカーのそれに通じるものがあるし、高域の彫りも鋭い。それが再現性に特色を与えているのも確かだが、本機の場合はもっと肩の力が抜けて楽々とした感触がある。同じように高S/Nで低損失な音調だが、微妙に性格の違いがあるのは製品の位置づけによるのかもしれない。

オーケストラは音楽の起伏がひとりでに引き出されてくるような感覚で、全く無理のない再現だ。だから大音量になってもうるさくないし、ダイナミズムの大きさに不足もない。ジャズも瞬発力に富んで歯切れもいいが、音のひとつひとつに歪みや濁りがなく当たりが柔らかい。それがライヴでも感じることの多い弾力的な質感として現れる。

電源ボックスでこういう具合に音が変わることは、未経験の人には意外かもしれないが、そのことを極めて自然な形で分からせてくれるのが本機だと言っていい。手軽なだけでなく、確実な音質改善を約束する1台である。



Zonotone「ZPS-4000」 ¥89,000(税抜)
【SPEC】
●筐体:アルミダイキャスト●配線材:超高純度6NCu、高機能純銅線 HiFC、純銀コートOFC、高純度無酸素銅OFCの4種類をハイブリッドし た3.5スケアの導体を採用●インレット:3P(金メッキ)●アウトレット:3P2口(金メッキ)×2個(合計4口)●許容電流値:15A(125V)●サイズ:180W×50H×120Dmm●質量:1.5kg ※電源ケーブルは付属せず


【協力/問い合わせ先】
(株)前園サウンドラボ http://www.zonotone.co.jp


※当記事は「オーディオアクセサリー」160号から転載しています

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