長年の愛用者がその魅力を探る

ウィーン・アコースティクス「Beethoven Concert Grand Symphony Edition」の進化を探る

貝山知弘

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2015年12月16日
筆者が長年愛用したスピーカーの進化モデル
いま再び、その魅力を味わう



Vienna Acoustics「Beethoven Concert Grand Symphony Edition」(¥600,000・税抜/1台)
1989年にウィーンで創業したウィーン・アコースティクス。同社のスピーカーの中核を担うコンサートグランドシリーズ最高機 Beethoven Concert Grandが、さらに磨き上げられた上で「Symphony Edition」として登場した。

本機では同社の代名詞でもある独自の高機能樹脂X3Pを採用したユニット群や、新採用のネオジウム・マグネットによるシルクドームトゥイーター、そして徹底的な見直しを図ったクロスオーバーネットワークなど、最新世代技術をふんだんに投入。より高い音楽性を獲得し、本年度の「オーディオ銘機賞2016」でも見事に銀賞を受賞した。

本稿ではかつて「ベートーヴェン」オリジナルモデルのユーザーであった貝山知弘氏が“旧友”と再会し、その進化の度合いをたっぷりとレポートする



●「ベートーヴェン」との出会い
弦楽器を理想的に奏でる最高点のスピーカーだった


ウィーン・アコースティクスのスピーカーのなかで、特に「ベートーヴェン」には特別な想いがある。かなり長い期間、わたしがリファレンス機として愛用していたことがあるからだ。出会いはある出版社の月例の試聴だった。当時はCECが扱っていたが、「ベートーヴェン」の名は使わず「T-3」という型番を使用していた。私はこのモデルを一聴して気に入った。その時の記事でわたしは最高点を付け、このスピーカーの導入を決めたのだ。

決め手となったのはヴァイオリン好きな私が弦楽器の音を聴き、理想とする再生音に近かったからだ。だが、もうひとつの理由もあった。その頃わたしはオーディオで本格的なマルチチャンネル再生を始めようと意図していたが、そのためには比較的スリムで背の高いこのスピーカーが部屋のサイズに適したからだ。わたしの試聴室はやや細長の16畳の部屋だったので、幅の大きなスピーカーは適合しなかったのだ。

自宅で聴いた「T-3」のサウンドは十分に満足いくものであった。マルチチャンネルでは同じスピーカー5台を使った5.1chのシステムと決めていたので、5台の「T-3」を1度に導入したのだ。結果は十分に満足できるものだった。2チャンネル再生は日に5枚聴くと決め、ヴァイオリンのディスクを全て聴いた。マルチチャンネルの機器は当初から5チャンネルのセパレートアンプ・システムを導入した。

その後、「T-3」のグレードアップモデルが発売され、さらにそれを2基購入してフロントスピーカーとして使用していた。


●「シンフォニー・エディション」の概要
ネオジウム+シルクコーンの新型トゥイーターを搭載


現在、ウィーン・アコースティクスの商品を扱っているナスペックから、「ベートーヴェン・コンサート・グランド・シリーズ」の最上位機種「シンフォニー・エディション」が発売され、その試聴を行なった。

シンフォニー・エディションのサウンド進化に驚く

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